ある人が、
「何かここから自分の人生を転換させたい」
とか
「今までの人生を脱出したい」
という願いを持った時に、大抵次に訪れるのは、
「孤独」
です。
すなわち、今まで仲が良かった人となんとなく気が合わなくなってきたり、
明示的な「お別れ」のイベントが発生したり、
といったことが生じやすいのです。
そして、「孤独」を味わうことになります。
これは、今までの自分から少しずつ変わっていくときにどうしても起こってしまう現象です。
もちろん、この後、新しい人間関係ができる可能性もあるのですが、
新しい人間関係ができるまでにはどうしてもタイムラグがあります。
すなわち、
Aという地点からBという地点に移動する時、
Aという地点の周辺に位置していた人間との距離ができますが、すぐにBという地点に辿り着けない場合、
Bという地点の周辺に位置している人間との新たな人間関係が形成されるまでにはどうしても時間がかかります。
AとBの地点が近ければ、間の「孤独」を感じる期間は短いのですが、
Aという日常からBという新たな景色を見ることができるところまで移動するのに距離がある場合、
その距離が遠ければ遠いほど、
「孤独」
を感じる期間も長くなってしまうのです。
もしかしたら、人によっては年単位でそのような「孤独」を味わうことになるかもしれません。
さながら、人生という巨大な物語の中で、
第1部から第2部に場面が転換される時の間の章、「孤独の章」ともというべき幕間、間章が挿入されるのです。
物語の場面が大きく転換される際には、その転換の幅が広ければ広いほど、多量の説明が必要になるのと同様に、
「孤独の章」というべきも、大きな人生の転換があればあるほど、その内容に深さが増すことでしょう。
そして、そこにとどまるべき期間も長くなる傾向にあります。
人生における「孤独の章」に突入している際には、
「前の状況や人間関係の方がもしかしたらよかったかもしれない」
といった一抹の不安が頭をよぎりやすいです。
そう、この時点では、まだ、良い未来に辿り着けるのか確信が持てないからですね。
しかし、大抵の場合、「孤独の章」に入ってからは後戻りをしがたい状況となっています。
不安であっても、「孤独」と闘い、次の人生の物語を切り開く必要があるのです。
「孤独の章」を超えて、次の章に辿り着いたときには、
「よし、ここで改めて頑張ろう」
と思えるようになるはずです。
それまでは、「孤独の章」において、不安を抱えながらも前へ進むしかないのです。
このように人生という物語を転換させることになるでしょう。