【第783号】人間の命は株式のようなもの〜あなたの人生の筆頭株主は誰?〜

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「あなたの命は誰のものですか?」

いきなり、そのような問いを投げかけられたらあなたはどう答えますか?

多くの人は、

「私の命は私の物でしょ?」

と考えるかもしれません。

確かに、それは間違ってはいないでしょう。

しかし、

「人間は一人では生きていけない」

といった言葉も存在するように、

多くの人は、

生まれてからというもの、

家族の世話になったり、

学校の先生の世話になったり、

職場の仲間の世話になったり、

といった形で、

様々な人からの投資を受けている場合があります。

そのような状況の場合、

あなたの命はあなたひとりの持ち物ではない、と考えることも可能です。

すなわち、何人もの株主があなたという命に投資をしてくれている。

それは、配偶者、子供、親、兄弟、友達、親友、仕事仲間……

といった様々な人たちが株主のようにあなたに対して出資してくれており、

そのような人間関係の中で、彼らが会社で言うところの株主となっており、

彼らに対してあなたは無責任な行動をすることは控えるようになったり、彼らがあなたに投資をしてくれたことをもって、何らかの配当を出したいという思いに駆られるかもしれません。

これは、特に田舎の人間関係にありがちな話かもしれませんが、

あなたの周辺にいる人たちがあなたという命の株式を少しずつ握っている場合があるのです。

そして、会社を経営している場合には、(決議の内容にもよりますが)多くの場合、議決権の過半数を持つ人物がその会社の支配者、すなわち筆頭株主であるわけですが、

あなたという命、すなわち、人生の筆頭株主は誰なのでしょうか?

筆頭株主はあなたでしょうか?

それとも他の誰かでしょうか?

考えてみてください。

もしも、あなたという命の筆頭株主があなた自身である場合、支配者であるあなたの意思によってあなたという人生(命)を動かすことができます。

すなわち、

どのような仕事をするか?

どのような職場で働くか?

どこに住むか?

誰と付き合うか?

誰と結婚するか?

といった内容をあなた自身が決めることができる状態であり、これは一般的に

自立している

と呼べる状態でしょう。

しかし、あなたの命の筆頭株主があなた自身ではなく、あなたの親だったらどうでしょう?

どのような仕事をするか?

どのような職場で働くか?

どこに住むか?

誰と付き合うか?

誰と結婚するか?

といった内容をあなたが決めることができません。

あなたの親がそのすべてを決めることとなり、あなたは自分の人生に関して、子会社の雇われ社長のような存在と言えるでしょう。

世の中には、

「自分ですべてを決めるのが嫌だから、親に決めてもらいたい」

といった考え方を持つ人もいますから、このような状態は必ずしも悪いとは言えないかもしれません。

これは、

大企業の子会社の雇われ社長として無難に生きるか?

あるいは、

たとえ小さくとも独立した経営者として生きるか?

といった選択によるものでしょう。

この辺りはその人の価値観にもよりますね。

さらにいえば、

あなたがあなたの命の筆頭株主であったとして、自立していると呼ばれている状態であったとしても、それは、完全に自由な状態にはなかったりします。

すなわち、筆頭株主というのは、多くの場合、会社の議決権の過半数すなわち、51%以上を握っている人物のことをさしていますが、

実際には、残りの49%を他の人が握っており、彼らに対する一定の配慮をせざるを得ない場合があります。

これは、

例えば、あなた自身が51%、あなたの配偶者が40%、あなたの子供が9%ほどの議決権を握っている場合を考えてみるとわかりやすいです。

どのような仕事をするか?

どのような職場で働くか?

どこに住むか?

といった決議をあなたはすることができますが、それに関してあなたの配偶者や子供からの意見を無視することはできないでしょう。

したがって、単に議決権の過半数を握っている状態は、決定権を握っているという意味で自立をしている状態であるとはいえますが、完全な自由を手に入れているわけではないわけです。

これは一般的に言われることである、

「○○というところにあなたは就職できてようやく自立できたね」

といった表現をみればわかりますが、

就職する際にも、

年収はどうか?

住む場所は限られないか?

仕事の内容は?

親からの賛同は得られるのか?

といったことを色々と本人は悩みつつ意思決定していることが多いのですが、それに対して「自立できたね」と一般的には表現されるわけです。

でも、本人の中では、

「本当はそもそも就職なんてしたくなかったんだけどな……」

「嫌だけども、色々と考えるとここで妥協するしかなかった」

と考えているかもしれません。

一応、自立はしているかもしれませんが、本当の意味で自由な意思決定を行えているのかは疑問があるわけですね。

ところで、会社経営をしている方は知っていると思いますが、

スクイーズアウト

という手法があります。

スクイーズアウトとは、少数株主などから大株主が強制的に株式を取得するために、株主を締め出す手法のことを指します。

スクイーズアウトは複数の株主などが議決権を保有しており、会社の意思決定などに時間を要する場合などに活用されます。

そのほか、長期的な視点で経営を進めたい場合などに、スクイーズアウトを活用することで上場廃止をする際などにも用いられることがあります。

少数株主が残ったままだと、例えば、

手続きが面倒で会社の意思決定に時間がかかる

経営に関して短期的な視点での意見が出されてしまって面倒

という場合があるのですね。

スクイーズアウトの手法としては、全部取得条項付種類株式や、会社分割により完全子会社を設立する方法、株式併合、特別支配株主による株式等売渡請求の方法などがありますが、

このような方法によって、最終的に金銭等を支払うことによって少数株主を締め出すことが可能になります。

スクイーズアウトによって、大株主は完全に自由な意思決定を行うことが可能になると言えるでしょう。

このような会社法上の制度などを考えていくと、

あなたがあなたの命の筆頭株主になれば、決定権を得て、一応の自立はできるものの、そのレベルを超えて、完全な自由を得たいと思った場合には、あなた自身が自由を買い取る必要が出てくる、といったことがイメージできると思います。

このような自由を買い取ることを追い求めて、経済的自由を目指す人もいることでしょう。

あなたがもし、

「今のままの人生は、周りの人からのしがらみがきつすぎる、自由が欲しい」

と考えているのであれば、

経済的自由を目指してみることは一つの戦略になると考えられます。

例えば、

「どうしても、実家で暮らさないといけない状態だから、実家にいるけれど、親からの過干渉が多くてキツイ……」

とか

「どうしても、ここの勤め先で働かないといけないから頑張っているけれども、上司のパワハラがキツイ……」

といった状態であるならば、親や勤め先があなたにとっての少数株主のような存在であり、

家出

退職

といった手法によって、そのしがらみから逃れることは可能でしょう。

スクイーズアウトにおいて、手元に金銭等がなければ少数株主の締め出しが難しいのと同様に、

あなた自身が自由を買い取る必要が出てくる

ことから今すぐに家出や退職といった手法はとれないかもしれません。

しかし、小さくてもコツコツと頑張ることができればいつか光明が見えてくることでしょう。

人間の命は株式のようなものです。

「あなたの命は誰のものですか?」