普段の生活の中で、「これって本当に必要なのだろうか」と購買の前に考えたり、立ち止まることによって、自分の中で購入するべきものとどうではないものを瞬時に判断することが習慣づけられてきています。
このような習慣を続けていると自ずと「世間で必要と言われていたりみんながなんとなくやっていることというのは本当に必要なのだろうか?」ということを考えるようになります。
世間で必要と言われていることといえば、例えばキャリアメールなんかもそうですが、昔は必要となる事情があったにもかかわらず今はその事情自体がないということがあったりします。
正直、格安スマホが出始めた頃はこのキャリアメールが使えなくなってしまう問題がMNPのハードルをあげていたことは間違いないでしょう。
Gmailを始めとしたフリーメールを使用していると、信用がないとか、そもそもフリーメールは使用できませんといった話が出ていたことから、とてもじゃないがキャリアメールを切り捨てることなどできないという状態が数年続いていました。
しかし、気がついたら、キャリアメールがなくともフリーメールを用意するだけで日常生活には支障が無くなっていました。
私はそれに気づいた時、未練無く三大キャリアから格安スマホに乗り換えたのです。
このように、必要だと思い込んでいた前提となる事実がいつの間にか消えていた、しかし、みんなはまだそのことに気づいていない、ということがあったりするのです。
他の例で言えば、家の収納スペースなども今は外部においてレンタル倉庫や保管のサービスが充実しつつあることからそちらに外注してしまえば、家の間取りに収納スペースがほとんど必要なかったりします。最近はこの手のサービスも増えてきました。
このように、いつの間にか世の中自体が変化したことで、なんとなくこれって必要だよねとされてきたことがそうとも限らないということが出てくるようになりました。
もっとも、そもそも変化していることや新しいサービスが生まれていることに気づく必要はありますね。
また、投資についても似たような事が言えます。20世紀においては日本の銀行に預けておくだけで8%近くも利息が付いていた時代があったのです。そうであれば、比較的リスクの高い株式投資などせずに、銀行口座に貯金をしておくだけでどんどん手持ちのお金が増えていく時代があったようです。
私はそんな時代に生まれていないので正直全く信じられません。
しかし、その時代背景から「銀行に貯金をしておくのが良い」という風潮だけが残りつつも、しかし、金利がどんどん下がっていくという動きは進んでいきました。
ここで何故「銀行に貯金をしておくのが良いのか?」ということをしっかりと考えていた人は即座に「金利が下がってきたから他の投資先を探そう」という発想になったのでしょうが、何も考えずに「銀行に貯金をしておくのが良いらしいから」「みんながそうやっているみたいだから」とだけ思っていた人は投資先を乗り換えるのに後れていたのだと思います。
いずれにしろ、何故世間ではこれが正解とされているのか?という点について本質的な目線を持った上で、リサーチを怠らないことが先行者利益をとるために重要ではないかと思います。
世の中において一歩先を行っている人というのは、このあたりの本質を見失わずに世の中の変化を敏感に察知し実際に行動を起こせている人だと感じます。
世間に蔓延る規範の趣旨は何か、ということをしっかりと考えると、まだあるルールの中でも、守るべきルールと、大して守らなくても支障が無いルールがあったりします。
同じくルールとして存在している物の中で重要である物とそうでもないものが紛れ込んでいたりします。
これは犯罪においても同様です。おそらく殺人罪が罪に問われなくなる世の中が来る可能性は低いですが、昔は姦通罪といって女性のみが不貞行為をすると刑罰に処せられるという時代がありましたが、今はありません。
これは世の中の風潮が変わったことで、昔は罪であったものが禁止規範としての重要性を失い、刑罰から削除されるに至ったという例になります。
どうして、犯罪としてやってはいけないとされているのか、という本質を見つめてみて、なおも守られるべきルールとそうではないと判断されたルールがあるわけですね。
こんなに堅い話ではなくとも、例えば会社において上司よりも先に退社してはいけないという暗黙のローカルルールがあるところもあるとおもいますが、これはリモートワークが普及してしまったら上司から部下の様子が見えない以上はそこまで意味のあるルールではなくなるのではないでしょうか?
常日頃から本質的なことに注意を向けている人は、状況に応じて柔軟に行動を変えることができたり、他の固定観念に縛られている人には思いつかない発想を持つことができます。
これによって、他の人が気づいていないことに気づくことができれば、これによって利益を得たりアドバイザーとして役立つ人材になれるのではないでしょうか?