独身FIREと介護リスク

コミュニケーション
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今までは、自分の健康がある程度保たれていることを半ば前提としてFIREについてやアーリーリタイアについて考えていましたが、それでも一応考えて置かなければいけないのは今は無限にあるかのように錯覚される自分の健康状態が害された場合の対策です。

そして、その中でも若いうちにはあまり考えないであろう、介護リスクについてもさすがに調べておくぐらいはした方が良いと考え始めました。

まず、介護リスクというと、「自分に介護が必要になる場合」と「他人に介護が必要になる場合」が考えられるでしょうか。

そして、現状では、介護が必要になる年齢については、80歳代がボリュームゾーンとのことです。したがって、自分の身体については、今後の健康寿命が延びる傾向にあることを考慮しても、75歳以降と考えて良いでしょう。

実際、現在の男性の健康寿命は72歳くらいであるため、これが後数十年後には5年ぐらい延びても不思議ではないと私は考えています。

そして、女性の健康寿命は男性よりも長いため、それを考慮しても、現実的に2021年時点で20代である私の場合は、自分に介護が必要な状態になるのは早めに見積もっても75歳以降、ということになりそうです。

というわけで、「自分に介護が必要になる場合」というのは一旦脇に置いておきましょう。

次に、問題になるのは「他人に介護が必要になる場合」です。これは主に親などに介護が必要になる場合です。

本人が介護を必要とする年代は上記の通りなので、自分の親に介護が必要になりそうな年代は親の今の年齢からある程度予測することが可能です。例えば、今自分の親の年齢が60歳ほどであった場合には、今から15年後ぐらいには介護のリスクが顕在化している可能性があるということです。

一方、子供の視点から見て、親の介護問題が出てくる年齢についてですが、これはもちろん、同様に年数を自分の年齢に足して計算することになりますね。

加えて、統計データ的には、子供が親の介護問題に直面する年齢のボリュームゾーンは45歳から50歳ほど、すなわちアラフィフ世代となるそうです。早い人の場合は、35歳ぐらいに親の介護問題に直面するようですが、今20代後半ぐらいの人はあと15年から20年後ぐらいには自分の親の介護問題が生じる可能性があるということです。

もちろん、自分の親の介護なんてそもそもやる気ありません、という人の場合は、ここでもう話が終わってしまうのですが、もう少し考えたいと思います。

今回は、一応独身FIREについて想定しているのですが、選択的シングルマザーや選択的シングルファザーなどのように、自分に子供がいるパターンも考えられます。

その場合、子供の年齢によっては、自分の子供の育児と上記の親の介護という2つの問題に一気に悩まされる可能性があるようです。

実際、親の介護に着手した人の3割ほどは子供も未成年の状況であるようなので、育児と介護のどちらか片方だけに悩まされるのではなく、いきなり両方の問題に悩まされる可能性があるということも頭に入れておいた方が良いかもしれません。

そして、子供が生まれるタイミングはある程度選ぶことができますが、他方で、親に介護リスクが顕在化するタイミングは予測はできるものの、自分の力で完全にコントロールすることは難しいという前提で考える必要が出てきそうですね。

このように考えると、育児で時間をとられるタイミングと親に介護リスクが顕在化するタイミングと予測される時機に関してできるだけずらすという視点も生まれてきます。

もっとも、親の介護リスクが顕在化したといっても、両親が健在である場合は、配偶者がまずは介護するという流れが一般的のようですので、いきなり子供の世代に大きな負担がのしかかってくるというわけではなさそうです。逆に言えば、親が既にシングルの状態になっている人は兄弟などがいなければ自分がなんとかする必要性が生じることを想定する必要があります。このように自分の家族の構成によっても自分に負担が生じるタイミングなどはどんどん後ろにずれていく可能性があるわけですね。

そして、介護が必要になってしまった場合の介護期間ですが、これは平均で4.5年間だそうで、1年以上の介護期間を要した人が8割にも上るそうです。1,2割ほどの長い人だと10年以上ずっと介護期間が続くようです。介護の怖さは「いつまで続くのか分からない」という点だそうですが、そもそも健康寿命と平均寿命の差について、女性の場合12年間もあるため、いわゆるレッドゾーンが長く、10年間以上介護期間があったとしても不思議ではありません。そして、介護の対象者についても、男性の場合の方が女性が介護される場合よりも介護期間が短い傾向にあるようです。これは単純に男性の方が要介護状態になってから死亡するまでの速度が速いと言うことなのかもしれません。したがって、介護期間は1年はかかるであろうという前提で想定しつつ、長期化するとしたら自分の母親がシングルで要介護状態になってしまった場合、というシチュエーションが一番可能性として高そうです。そう考えると、介護リスクの予測を立てる際には自分の父親よりも母親の年齢の方をより注意して気にした方が良いかもしれません。

さて、現実的に親の介護リスクが顕在化した場合ですが、まず、いきなり自分の負担が重くのしかかるというパターンは意外と多くはなさそうです。

そもそも介護の状態には7段階ほどあり、つきっきりで支援しなければならない状態に至るのは要介護2や要介護3の状態になったあたりからボリュームゾーンとして出てくるようです。

したがって、介護は「いきなり始まる」怖さがあると言われるものの、これは直ちに「いきなり自分の負担がものすごく重くなる」ことを意味するという訳ではなさそうです。ですので、予め準備をしておけばいきなりあたふたする、という可能性は高くはなさそうです。

そして、介護の形態についてですが、親族が要介護者を直接支援する場合と、事業者などにアウトソーシングするパターンがあります。

独身FIREなどを目指している人はそもそも自分の時間が大切だと考えている傾向にあると思いますが、自分が敢えて親の介護につき直接支援をしたいという気持ちに乏しいのであれば、支援の負担が大きくなる要介護2や要介護3の状態になって以降は思い切って事業者に任せるという選択肢をメインに考えた方が良いかもしれません。

逆に言えば、要介護1の状態にとどまる場合は在宅で親族がメインで支援して本人を支えることにする、というような想定をしている場合、家の中をバリアフリーにしておいたりして住みやすい環境を創ることも考えて良いかもしれませんね。

このあたりは、自治体などから補助金が出たり、介護保険を活用することができるので、そこもどのような場合にどのくらいの負担額になるのか、というのを調べておいて、サービスの程度とそれに対して要する費用というのを予め見積もっておくと慌てずに済むのではないか、と考えています。とはいえ、種類とパターンが多い分野ですのでリサーチそのものは大変です。

次に問題になるのは、そのような負担額を一体誰が負担するのか、という点です。

当然ながら、原則として介護を受ける本人が負担をするという話になると思いますが、親の状況によっては介護をする側の人が負担しなければならない可能性があります。

上記のように、自分の母親などが要介護の状態になるという想定を行った場合、母親が原則負担する、というのが筋になると思われますが、母親本人の財産状態や年金収入によってまかないきれないという現実に直面する可能性があるため、まず、子供の側がやらないといけないのは、介護される本人の財産状況について事前にコミュニケーションをとってまかないきれるのかを確認することです。また、上記に書いたサービスの内容についても当然本人の希望というのが出てくると考えられるので、そもそも本人はどのような支援を期待しているのか、というあたりからヒアリングした方が良さそうです。

以上のように考えていくと、例えば私のような20代後半の人の場合、自分が30代後半になったり、母親(あるいは父親)がシングルになったタイミング辺りで、本人の財産状況やもし介護が必要になったらどんな支援を受けたいのか考えたことあるのか、という辺りで話を振っておいて、ある程度本人にも心の準備や覚悟をさせつつ、自分がどのくらい負担する可能性があるのかについて事前にリスク分析を行っておくことが重要であり、結局親と普段からコミュニケーションをそれとなくしておくというのが大事にはなりそうです。すごく当たり障りのないまとめになりました。

ここまで、書いて思うことは、独身FIREをする場合には、あまりにも早く決断しすぎるとこのようなリスクについて見逃してしまう可能性がある、ということでしょうか。

アーリーリタイアする人の場合、35歳ぐらいまでには決断をしてしまうと思われますが、どうしても今の自分の健康状態がある程度永続することを前提に考えがちです。

アーリーリタイアすることができるような能力が高い人は、自分をコントロールする力が強い傾向にあるため、自分のことであったらなんとかできる力と覚悟が備わっていると考えられますが、自分以外の他人はそう簡単にコントロールできません。

世の中の動きや環境の不可避の変化に完璧に対応しきることができるとは限りません。

もちろん、不確定要素はリスクファクターとしてリスクが顕在化する前に事前につぶしきる努力を行う事が前提ですが、それでも不測の事態というのは生じるため、それに対する心構えもあらゆる分野において予めしておくことが重要になるでしょう。

美紀のプロフィール
夢見がちな社会不適合者
mikimiki

社会人6年目かつ会社経営者(法人4期目)。
都内在住、マッチングアプリ上位0.0X%(上位3桁)の超人気女性会員。
フォーチュンレディ (Fortune Lady:幸運な女性)

かつて不登校になり片っ端から出席点を落としまくる。高校生の頃は家出経験も。
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INTJ型女性による皆既日食への歩み
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