私に相談を頂くクライアントの中には
質問事項①「×って○○ってことだと考えているのですがこのような理解であっていますか?」
質問事項②「その他これに関して留意するべき点はございますか?」
という形で複数の質問を頂くことがあります。
この例のように質問事項①は明確な質問を出しておいて、
質問事項②において曖昧な質問を出されるようなパターンですね。
私の経験上このような形で相談を受ける場合において、
質問事項①のように明確な質問は本命では無く実は質問事項②のような曖昧な質問の方がクライアントが本当に答えて欲しい点
だったりする場合があります。
特に、質問事項①についてググってみたりするだけである程度簡単に感触が掴めそうな質問が挙げられている場合には
「この人の本命の質問はきっと質問事項②の方なのだろうな」
と感じるのです。
学校などにおいても、
「優秀な人ほど質問を先生に対して頻繁にしに来て、もっと勉強した方が良い人ほど全然質問に来ない」
という現象が見られるようですが、
これは優秀な人はその理解度が高まっているが故に明確な質問を出すことができる一方で、勉強がまだそこまで進んでいない人は
「そもそも質問が思いつかない」
「どこがわからないのかがわからない」
という状況に陥っていて、
よく分かっていないけれども何を質問したらいいのかも全然わからない
という状況になっているためそもそも質問すらできないのですね。
そして、質問ができないからこそ、そのような人は特に誰からのサポートを受ける機会も得られずに対策を打ちようが無くどんどん成績が落ちて行ってしまうのです。
逆に、優秀な人が持ってくる明確な質問というのは、その質問を思いついている時点で後は先生に確認するなり、ググればGoogle先生が答えを出してくれるわけですね。
今はGoogle先生が優秀すぎるので、
質問を思いついている時点でほとんど回答にも近づいている
という状況になっている場合も多いです。
したがって、私がクライアントから相談を頂く内容に関してもこれは同様で、
明確に質問できる部分については実はさほど困っていない(と本人は感じている)
という場合が結構あります。
場合によってはこのような明確に質問できる部分であっても既に難しいという場合もあるのですが、
多くのクライアントの場合は、
「多分○○だろうけど、念のため確認しておくか」
ぐらいの感触で質問事項①を出されているのだと思われます。
一方で、質問事項②のように曖昧な質問の場合には要するに
「質問が全く思いつかなかったし、分からない点もよくわからないけど、不安だから見落としている視点があったら教えて欲しい」
という要望なのですね。
ある意味ものすごい無茶ぶりのような面もありますが、しかし、明確な質問の場合にはある程度自分でググって調べることで感触を掴めることが多いという実情があることから
「そもそも質問が思いつかない」
「どこがわからないのかがわからない」
という部分こそをしっかりと聞きたい、教えて欲しい、という要望に繋がるのでしょう。
したがって、私がこのような相談を頂いた際には、質問事項②の方をかなり重点的に検討してお答えすることが多いです。
そうすると、
「聞いておいて良かった」
という反応をいただく場合が多いです。
クライアントによっては質問事項②のように曖昧な質問がそもそも無い場合もあるのですが、
その場合であっても、
「見落としている視点があったら教えて欲しい」
という声なき声が実はあったりすることもありますので、
私の場合はそれも併せて回答しています。
特にテレワーク、リモートワークが広まってからはメールなどを用いて言語でコミュニケーションをとることが増えています。
しかし、質問事項②のように上手く質問を言語化できない、声なき声というものがあったりするのですね。
ですから、メールカバーなどで明確に出てきている質問に答えるのみならず、
明確に質問としては聞かれてはいないものの、クライアントの声なき声に答えられる人
が暗に求められていると思いますし、このような人こそがGoogle先生よりも頼りにされるのでしょう。