最近、他人との関わり方について考えることが以前よりも増えました。
社会資本について昔よりも真剣に考えているからかもしれません。
私は、社会資本、すなわち、人間関係においてもしっかりとしたポートフォリオを組んで、その時々に応じて比重を変えるという生き方が1番心地よいのかなと考えています。
小学校からの親友と呼べる人もいますが、その人とは住んでいる地域が違うので接触する時間は多くはありません。
むしろ、今は激務なので職場の人と関わる時間にリソースが大量投入されています。
人間関係をポートフォリオで捉えた時に、現在の私の状態は、社会人になってからというもの、職場の人間関係に全力投資しているのと同じような状態です。
会社の新入社員とはそんなものなのかもしれません。
しかし、同僚の中には上司に恵まれず、「こんな会社は無理」と退職する人もいます。
これは全力投資してしまった、させられてしまった先がその上司であって、集中投資のリスクが顕在化したということでしょう。
学校とかでも、いじめられて辛い思いをしてしまう人がいますが、それはなぜかというと、人間関係の、社会資本のポートフォリオを学校という一か所に集中投資していることから、そのリスクが顕在化しているのです。
これからの社会は特に流動的になると考えられるので、特定のコミュニティーにこだわって集中投資をするのはあまり良くないのかなと考えています。
特定のコミュニティ、例えば新卒で就職した先もいつ倒産するのかはわかりません。
人間関係のポートフォリオをしっかりと構築し、依存先を適度に増やしておくのが無難かと思われます。
とはいえ、ここで問題になることがあります。
それは、人間関係のポートフォリオをしっかりと構築するためには、前提として「自ら新たな人間関係を構築する能力」が必要になるということです。
これはつまり、たまたま与えられた関係性、たまたま席が隣になったとか、たまたま仕事が一緒だったとかそういったわかりやすい接点に左右されることなく、自分が望んだ人間と自らの活動によって仲良くなるための方法論などを持つことを指します。
大企業などになると典型的ですが、たとえ同期であっても別の部署の人などと仲良くなるためにはなんらかの工夫が必要になります。
何も考えずに適当に生きているだけでは、新たな人間関係を築くことはできません。
この話を聞いて、「別に別の部署の人と仲良くなる必要なんてないし」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、重要なのは別の部署の人と仲良くなることそのものではなくて、薄い接点しかないにもかかわらず、人間関係を自分が望んだタイミング、対象者と構築することができるという点です。
新たな人間関係をこのように構築する能力を持っている人の何がすごいかというと、
「自分にとって必要のない人、好ましくない人との関係を躊躇なく切ったり、距離を置くことが容易になる」という点です。
すなわち、人間関係のポートフォリオを非常に自由度高く組み上げることが可能になります。
大抵の人間関係の悩みというのは、
「距離を縮めたい人と距離を縮められないこと」
と「距離を取りたい人と距離をとりたくてもとれないこと」
に大きく分けられます。
新たな人間関係を自分の望み通りにいつでも構築することができればこれが一気に解決します。
ほとんどの人が抱きやすい悩みを一瞬で解決できる、高度なコミュニケーション能力としての、「新たな人間関係を構築する能力」こそが現代社会最強のスキルかもしれません。
できることならば、この能力を高められたらいいなと考えています。