不動産投資における有名な格言に「向こうからやって来る物件は全てクソ」というものがあります。
良い収益不動産であれば、いくらでも買いたいという富裕層や地主、業者が大勢います。
彼らが皆、「その値段では要らない」と言ってスルーし続け、誰も買わない物件が不動産投資セミナーなどで売られていることが多く、かなり割高で購入させられることを示唆するものです。
無料の不動産投資セミナーや出席しただけでギフト券などをもらえるセミナーの場合は特に警戒した方が良いでしょう。
「何故無料でセミナーをやっているのか?できるのか?」
「何故、不動産投資に行くだけでギフト券までもらえるのか?」
というそもそも論を考えるべきです。
これはどこかで負担分を回収ができることを見込んでいるためです。
同じような要領で高収入の勤め先に勤めている人に対してそのような業者から物件紹介のメールが来ることがあるようなのですが、大抵の場合ひどい内容のものばかりで、「一匹カモが釣れたら良い」の精神で営業活動をしているようです。
「向こうからやって来る物件は全てクソ」 の典型例ですね。
同じようなことは他の投資系商品にも言えます。
また、昔とあるソーシャルレンディングの事業者において、
「100万円を投資したら3万円をキャッシュバック!」
みたいなキャンペーンをやっていました。
これを見て
「100万円を投資するだけですぐに3%のリターンは回収できるなんて!その上更8%の年利が期待できる!」
と思ったのか結構な人数が投資をしていたようです。
しかし、結果はというと、ポンジスキームとなっており、典型的な自転車操業に陥っていることが判明し、投資したタイミングによってはいわゆる利息部分のみならず投資元本がほぼ全額が返金されないことになって業界としても非常に問題となりました。
当該事業者にも問題はあったのかもしれませんが、
そもそも
「100万円を投資したら3万円をキャッシュバック!」
という大盤振る舞いのキャンペーンの異常性に気づく必要があった、という案件でした。
結果的にまるで年金基金のようですが、先に投資した者だけがすべて回収が可能で利益を得ることができて、最後に投資した者が大損させられるという状態になってしまっていたのです。
因みに、この案件はアフィリエイト報酬が良かったのか色んなアフィリエイターがこぞって紹介していました。
それなりに報酬がもらえるからブログで紹介しているだけであって、自分自身は大して投資していないアフィリエイターも大量にいました。
実は、アフィリエイトサイトとは全く違う場所では、「この事業者は○○という理由で怪しいのではないか」と言われていましたが、おそらく実際に投資した人はアフィリエイトサイトの誘導に乗せられたのでしょう。
このようにインターネットだけで情報収集すると逆に変な案件に引っかかってしまうおそれがあるというのも怖いところです。
また、そもそもの話、本当に良い物はわかりやすく市場に出ていないことも多かったりします。
事実上非売品のようになっているわけですね。
市場というと、就活市場、転職市場、婚活市場、マッチングアプリを介した恋愛市場など色んな領域があるようですが、
そもそも市場という場に出ていない物が存在しているのだという認識は持っておいた方がいいと思っています。
上記の領域では大抵の場合仲介業者が存在するなどして取引成立に伴って成功報酬等を得ているようですが、逆に目利きの良い人からスルーされた「売れ残り」しか市場に残っていないということもよくあるのですね。
「○○市場が盛り上がっています」と言われるとなんだか自分も早めに参入した方が良いような気もしてしまいますが、この辺りは一旦落ち着いて考えておきたいところです。業者が儲かっているだけというパターンが結構あります。
インターネットも罠だらけと聞くと絶望してしまいますが、逆に、相場感をちゃんと知っている人が身近にいるとかなり心強いです。
もし、残念なことにそのような人が身近に居なくとも
「向こうからやって来る物件は全てクソ」
という格言を知っているだけで、その場で早急に判断せず、一旦落ち着いて物を考えることは可能になるのではないか、と私は考えています。