「勝って兜の緒を締めよ」
というのは多くの人が知っていることわざですよね。
これに限らず、
「良いことが続いているからといって調子に乗るな」
という助言は昔から非常に多いです。
しかし、悲しいかな、これを個人の意思の力だけで守るのは経験上非常に難しいことだと感じます。
「今月だけで1000万円稼ぎました」
「億りました」
などといった具合に良いことがあったらどうしても自慢したくなってしまう人が多いものです。
人間には承認欲求がどうしてもあるので、
このような欲求自体を抑えるのはそもそもの話、非常に難しいのかもしれません。
しかし、その一方で、客観的に見てものすごい成果を上げているのにもかかわらず、あまり自慢をしない人や過度に調子に乗らない人というのも存在します。
「謙虚にも見える彼らと、自慢したくなったり調子に乗りたくなってしまう人との違いは何か?」
と考えた時に一番大きな要素としては、
「自分よりも凄い人が実際に周りにいるか」
とか
「自分よりも凄い人が謙虚な様子なのを目の当たりにしているか」
という違いです。
例えば、月収1000万円を達成したなどの理由で、調子に乗りたくなったとしても、
月収1億円ぐらいある人が謙虚な様子でいるのを目の当たりにしてしまったら、
調子に乗りたくなる気持ちは急速に萎んでいくでしょう。
また、周りに月収1000万円を稼いでいる人ばかりのコミュニティに属している人もあまり調子に乗ることはないでしょう。
何故ならば、「周りと自分は同程度」という認識になるからです。
そのような状況でわざわざ調子に乗る意味が分かりません。
このように、周りの状況によって、認知が変更されるので、客観的に見て同じような状況であっても、その内心は変わるのですね。
そのため、
「自分が調子に乗らないためのシステム作り」
としては、
「とにかく、自分よりも凄い人が常に視界に入ってくる状況を創る」
のが一番早いと考えられます。
最近はSNSがあるため、
実際に自分よりも凄い人と知り合いになる必要はなくなりました。
傍からそのような人を見ていると、
「こんなにすごいことをやっている人なのになんて謙虚なのだろう」
と感じざるを得なくなるため、
ほぼ自動的に調子に乗りにくくなります。
昔は、情報の流通が乏しかったため、自分よりも凄い人を見つけるのは一苦労でしたが、
最近はネットを使用すればあっさりと見つけることが可能です。
このように、自分の周辺状況から変えてしまうことは非常に重要です。
冒頭のことわざのような名言を見ると、
「調子に乗りすぎないように気を付けよう」
などと自分の自制心に頼りがちですが、多くの場合、その自制心は全く働くことなく、そのまま失敗します。
自制心に頼るのではなく、周りの状況から改善できないか?
と考えることが重要なのです。