世の中には、
「人生を大きく変えてしまうレベルの大きな決断」
もあれば、
「単体で見れば大したことはないが、積み重なることによっていつの間にか人生を変えてしまう決断」
もあります。
前者は例えば、
起業する
転職する
全く知らない土地に引っ越しをする
結婚をする
などといったものが挙げられるかもしれません。
そして、前者はかなり人生に大きなインパクトを与えることも多いので、
「起業したら私の人生が変わるはず!」
「転職したら私の人生が変わるはず!」
「結婚したら私の人生が変わるはず!」
などといった形で、
現状の一発逆転を夢見やすい分野でもあります。
しかし、その一方で、
「起業したけど思ったよりも上手くいかない」
「転職したけど思ったよりも上手くいかない」
「結婚したけど思ったよりも上手くいかない」
といった形で、リスクが高い分、失敗してしまう可能性もある分野でもありますし、
「成功したはずなのに何かが違う」
と客観的には上手くいったように見えるのに、本人の気持ちの中でどこか思い悩みやすい分野でもあるのですね。
また、上手くいっているはずなのに、油断して、膿のようなものが少しずつたまっていき、あるタイミングで、それが顕在化する、といったこともしばしば起こります。
若くして脚光を浴びている人が一気に凋落するのもこういったパターンが目につきます。
普通の人よりも目立ってしまう分、良い面も、悪い面も他人の目の前にさらされやすいのですから、これは仕方がないのかもしれません。
その一方で、
「単体で見れば大したことはないが、積み重なることによっていつの間にか人生を変えてしまう決断」
というのは一見すると非常に地味です。
これは例えば、
「今は腹八分目まで食べたから、今日はもうこれ以上食べるのは止めよう」
などといった日常的な些細な判断などもこれに含まれます。
一見すると、これらは大したことがないのですが、長い時間をかけると大きな差が生まれる分野です。
具体的には、体型に大きな差が生じることでしょう。
貯金も少しずつ貯金をすると、いつの間にか大きく貯まっていた、という状態になるので、
「いつの間にか人生が変わっていた」
という状態になることもしばしばあります。
このような試みの良いところは、少しずつ状態が変わっていくがゆえに、そこから生じる状況の変化にも腰を据えて対応しやすいことでしょう。
例えば、起業などをすると、
「法人税の申告をしなきゃ」
とか
「○○という届出を出さなきゃ」
といった形で、個人が普通に生きていくよりも、たくさんの手続きを要求されることも多いです。
しかし、一気に拡大しようとすると、このような必然的に生じる様々な事務に対応しきれなくなることがしばしばあります。
その結果、
「取り敢えず、専門家に丸投げして自分では何も考えない」
といった形にせざるを得ず、リスクを増大させざるを得ない、といった状況に追い込まれます。
このようなことを防ぐためには、
「本当に少しずつやる」
「少しずつやりながらしっかりと勉強して対策する」
といった形で、腰を据えて少しずつ状況を前に進める方が長い目で見ると安定することでしょう。
一見すると、大したことをやっていないため、
「しょぼい」
と傍からは見えるかもしれません。
しかし、少しずつ着実に進めるというスピード感を維持することによって、回避できるリスクも存在するのですね。
人生は長いです。
現状の一発逆転を夢見るのではなく、「いつの間にか人生が変わっていた」ぐらいのスピード感を念頭に入れると、少しずつ幸福に近づいていく感覚を味わうことができるのです。