ある程度、単体の能力が優秀な人の多くは、
「ある程度の事ならば自分でできる」
とか
「人に頼むよりも自分で進めた方が早く終わる」
という感覚を持っていることが多いです。
それゆえに、それなりに上の立場になったとしても、
「自分がやった方が結果的に早いから」
という理由で、
あらゆることを自分の力で進めようとしがちです。
いわゆる、フリーランスのように一人で物事を進めるタイプの働き方をしている人は、これに違和感を感じないかもしれません。
しかし、それなりの規模の組織に所属し、部下に指示を出すような立場の人は、
部下を上手く活用できない上司
となってしまう可能性があります。
そして、繁忙期に、
「ああ、忙しい忙しい」
と呟きながら、すべてを自分一人でこなし、
「やっぱり、この職場には自分がいないとダメ」
といった自惚れを感じながら労働をし続ける人になる可能性があります。
これは、本人としては、
「自分は仕事を頑張っている」
「自分の力があってこそ、成果が出せている」
と主観的には感じやすいシチュエーションですが、
その実、
「本当に自分が注力するべきことに時間を使えていない」
とか
「部下が全く育っていかない」
といった状態を放置しているも同然であるため、
未来においては、ジリ貧の状態になりがちです。
上の立場に立つ人であればあるほど、
「未来のことを見据えて、自分が本当に時間かけなければいけないことは何か、逆に、自分がやるべきではない仕事は何か?」
ということを真剣に考える必要があります。
そして、自分がやるべきではない仕事については、他人に任せる、といった習慣をつけるようにすることが重要になってきます。
これを行うための前提として、
「自分がやるべきではない仕事」
を見極める目が必要になるでしょう。
例えば、マニュアルを事前に用意すれば、自分以外の他人であっても遂行できそうな行動であれば、それは「自分がやるべきではない仕事」である可能性が高いです。
また、何か書類を作成して、郵送するまでが一つの仕事である場合には、
書類の作成はもっとも重要な自分の仕事であったとしても、
郵送する行為単体は他人に任せても支障のない行動だったりします。
このように、
タスクの具体化
と
タスクの分解
を行えるようになると、全工程を遂行するのが大変な仕事であっても、
「この部分は、比較的難易度が低く、専門的な知識も特に必要がない」
といった作業が発見できるようになります。
そのような工程は、自分がやるべきではない仕事である可能性が高いことでしょう。
普段仕事をしているの中で、このようなことを意識すると、
「この部分は、○○さんにお願いすることが可能なのではないか?」
といったことに気付くことができるようになってきます。
このような気づきを得ることができるようになればなるほど、
「自分がやるべきではない仕事」から距離を置き、自分が本当に注力するべき仕事に対して時間を使うことが可能になってきます。
そうすることによって、真により良い価値を発揮できる人になっていくのです。