長所と短所は表裏一体である
と言われることがあります。
実際、Aというシチュエーションの時には、非常に良い作用をもたらす性格が、
Bというシチュエーションの時には、逆に悪い作用をもたらすことがあります。
例えば、
「せっかち」
な性格についてあなたはどう思うでしょうか?
これは、
短気な性格
と捉えることもできます。
例えば、
「せっかくメッセージを送ったのに、あの人は返信をしてくれない!」
とか
「早く成果が欲しいのに全然手に入らない!」
などといった反応をしやすい人です。
上記のような例を挙げてしまうとネガティブなイメージの方が強まってしまい、
「まさに、短気は損気だ」
と感じる人もいるでしょう。
しかし、一方で、せっかちな人というのは、
「早く成果が欲しいから早い時期から手を打っておこう」
といった
前倒しの行動
に取り組みやすい性格であるとも言えるでしょう。
早く成果が欲しいということは早い行動を起こすしかないため、必然的にこのような行動になりやすいです。
そして、
のんびりとした性格の人よりも、
短気な性格の人の方が、
実際に、早めに結果を得ることも良くあります。
このように、短気な性格の人は、全体的に早めの行動を起こすことができるというメリットを持っています。
しかし、デメリットの方は気を付けなければなりません。
デメリットが生じやすいのは、
「自分の行動や努力以外のコントロールできない要素が絡んでくる時」
でしょう。
例えば、メッセージの返信が返ってくるのが遅いと憤慨する人というのは、メッセージの相手という自分のコントロールの及ばない要素に対してイライラしたり、憤慨しているのです。
特に人間関係においては、どうしても、コントロールできない相手の人間の反応などが絡んでくるため、
短気な性格の人は人間関係面で上手くいかなかったり、常に不満を抱えやすいと言えるでしょう。
とはいえ、このような構造に気付いてさえしまえば、少しは状況が改善することでしょう。
すなわち、
「自分がコントロールできる要素にのみ、集中的に労力を投入し、そうではない、相手の人間に関してはせっかちにならないようにする」
という大筋の方針を立てることができるからです。
この方針を守ることができれば、
行動力が高い割に、他者に強要をしない、
といった良い人格を持つ人になることも可能です。
コントロールできない相手に対する基本的な姿勢を反省するという大きなハードルは存在しますが、
これを守ることができれば、
「短気ゆえにイライラしてしまう……」
という悩みから解放されやすくなることでしょう。
世間一般に悪いと言われやすい性格であっても、それを上手い具合に利用し、付き合っていくことが可能です。
「自分は短気だから」
と気に病むことはないですし、性格を「矯正」までする必要はないのです。