やはり、1億円という数字は9桁ということもあって、注目を集めやすいのか、
「億り人になりましょう!」
といった趣旨のマネー本は書店に行くと大量に見かけます。
怪しげな自己啓発セミナーなどにおいても、
「年収1億円が目標です!」
と高々と宣言する人がセミナー中にチラホラと現れる程度には、1億円という単語、数字はこの分野においてはかなり頻出している印象です。
その中には、
「1年で億り人になりましょう」
といった短期間で、1億円を手に入れられるかのようなタイトルの情報なども見かけます。
私ももちろんその例には漏れませんが、多くの人は、
「できる限り、早く、お金持ちになりたい」
などと考えがちなので、こういった本などはやたらと売れやすい傾向にあるみたいです。
実際に、
「ささっと1億円作りました!」
と言われたら、
「凄い」
と感じる人も多いでしょう。実際にすごいことなのです。
しかし、この手の情報を見たことがある人はわかると思いますが、
1年で一気に1億円を手に入れる方法のほとんどは起業などを含めリスクが高く、再現性が乏しい内容が多い傾向にあります。
1億円を実際に手に入れたことがない人の多くは、1億円を手元に残すことに対するイメージが乏しいので、
例えば、
「年収1億円を稼ぐ=1年で一気に個人で億り人になれる」
などと考えがちですが、
実際に、年収1億円をたたき出した場合、これに対する税金などを払わないといけないため、1年で億り人になることがそもそも難しいという現実もあります。
したがって、年収1億円を目指す場合であっても、初年からいきなりこのような年収の成果を出せたとしてすぐに億り人になれるとは限らず、現実的には、上手くいっても、1年ちょっとはかかることになります。
もっと再現性の高さを求めるのであれば、年収の部分は1億円よりも低くなるかもしれません。
例えば、年収3000万円くらいの人ならば、再現性高く、5年ちょっとくらいで億り人になることも可能ではあるでしょう。
実際に頑張ろうと取り組んだ人の中から、運良くうまくいった人を除くと、このような5年くらいで億り人になるといったルートを通ることが多く、
実際にこれを達成した人からすると、
「一気に億を手に入れるのも良いけど、現実的には、このくらい堅実にコツコツと資産形成するのが失敗やリスクも少ないかもしれない」
といった感想になります。
そして、
「1年で一気に金持ちになりましょう!」
といった威勢の良いキャッチコピーに対しても、冷静な目で物事を見ることができるようになります。
「それは可能かもしれないけど、まあ、再現性や持続性は乏しいよね……」
と。
長い人生においては、まるで宝くじにあたるような再現性の低い幸運よりも、実は、再現性の高い、期待値の高い行動を堅実に繰り返すことの方が重要だったりします。
5年くらいで億り人になるような堅実な人ほど、そのことを身をもって実感しているのです。