私は、定期的に様々な金融機関に対して、
「最近はどのような目線で融資に取り組んでいるのか」
ということを聞くようにしています。
何度も聞いていると、
「ここの金融機関はこういう傾向がある」
とか
「時期によって考え方が大きく変わる」
といった傾向も見えてくるようになります。
最近の傾向としては、
「全体的に融資に対する基準が厳しい」
という印象です。
具体的には、
「純資産が1億円以上なければそもそも審査を行いません」
といったところもチラホラ見かけます。
こういった金融機関は、お金を借りたいけれども、お金が手元にない人は客扱いしてくれないようです。
以前は、純資産5000万円程度の目線だったところも、1億円以下の純資産しかない人に対しては、一気に目線が厳しくなっているようです。
これは、様々な原因があるようですが、
融資詐欺
などの具体的な事件が生じると一気に間口が狭まる、といった傾向があるようです。
以前、某銀行において、借入人の保有資産額を何倍にも水増しした資料を用意して、過大な不動産投資のための融資を引き出していたということで話題になっていましたが、
そのようなタイプの融資詐欺はまだまだチラホラあるようで、
特にその被害に遭った金融機関は他の顧客に対しても目線が一気に厳しくなるようです。
真面目に、融資を検討している人からしてみればこれはとんでもない話ではあります。
しかし、どうすることもできないので、間口が再び広くなるのを待つしかないのかもしれませんね。
とはいえ、融資に対する基準が厳しくなるということは単純に悪い事であるとはいえません。
①そもそも、借りるべきなのか
ということを再考するきっかけになりますし、
②厳しい基準をクリアできるように属性を整える
といった努力を続けることによって、しかるべきタイミングでより良い条件の話を引き出すことも可能になるでしょう。
難関試験なども、
ある時から突然難しくなって、間口が狭まることもありますが、
そのような現象は受験生にとって悪い事ばかりではありません。
そのような厳しい基準をクリアすることによって、あとあと、より良い状態になることもあり得るからです。
金融機関における融資に対する基準についても同じことが言えるでしょう。
「純資産1億円なければ客扱いしてくれないなんて!」
と憤るのではなく、
「仕方がない。」
「本来ならば、そのようなレベル、状態の人が検討するべき話なのだ」
と捉え方を変えることによって、物事に対する姿勢が変わることでしょう。