コロナ禍あたりから増えてきたのが、
いわゆる、
無人レジ
です。
コンビニエンスストアなどを中心に、誰もいないところで商品のバーコードを読み取り、決済まで済ませて、時には、ポイントを付与したり、領収書を発行するところまでスムーズに対応できるようになりました。
これが非常に便利で、
「有人レジはなるべく使いたくない」
と私は感じています。
時折、無人レジが存在しないお店があり、その時には、有人レジに頼らざるを得ないのですが、
「レジ袋は必要ですか?」
「いらないです」
「ポイントカードはお持ちですか?」
「ないです」
「箸は必要でしょうか?」
「いらないです」
「お支払方法は?」
「○○で」
などという会話が発生することがあります。
このやり取りが本当に気になるのですよね。時間かかりすぎでしょうと。
無人レジであれば、
ピッピッピッピッピと適当に手を動かすだけでよいのに、
有人レジの場合、
わざわざ言葉にして相手に伝えないといけないというコストが発生します。
しかも、例えば、イヤホンなどを用いていたり、電話などをしている最中に、このような作業をしなければいけない時は本当に困るんですよね。
そもそも、
イヤホンで会議に出ている場合には、対応してくれる店員さんから何を言われているのか聞き取れないこともありますし、
電話口で会話しているゆえに、店員さんに対して応答をすることも困難になることもあります。
そのような事情がなくとも、
「店員さんと発話でコミュニケーションをしなければいけない」
ということはその分時間と私の口がとられるわけです。それでは困るのですね。
このようなこともあって、
できる限り有人レジしかない店は避けています。
たまに、
「有人レジの方、空いていますよ」
と、遠くからアピールしてくださる店員さんもいるのですが、私の場合には無人レジを使用します。
何故ならば、その方が友人レジよりも、
「話が早い」
からです。
お店に入って商品を手に取りながら店員さんと会話をすることを望んでいる人にとっては、無人レジよりも有人レジの方がありがたいかもしれません。
しかし、私の場合は、そのような事情は特になく、口を開くことなく速やかに商品の決済が可能な無人レジの方が魅力的に感じます。
それは、やはり、無人レジの方がコミュニケーションコストがかからないから、と言えるでしょう。
しかし、年配の方になってくると、
無人レジの使い方がわからないから有人レジの方がいい
という感覚の人も出てきます。
このような人の場合、無人レジに慣れていないがゆえに、有人レジの方がコミュニケーションコストが低いと感じるのでしょう。
パソコンを使い慣れていない人が、「パソコンじゃなくて対面で色々とやってほしい」というのと同じで、使いこなせるようになれば自ずと考えは変わります。
無人レジの場合も、使いこなせなければそのコミュニケーションコストが下がることはありません。
このように、
「本人の技量が追い付いていなければ便利ではない物、コミュニケーションコストが下がらない物」
というものは世の中に多くあります。
エクセルを使いこなせる人は、それを使った方が早い、と感じる、といった現象がそうですね。
新しい技術が出てきて「こちらの方が便利ですよ~」と宣伝されても、
「よくわからないから使えない」
という状況では、コミュニケーションコストが下がらないため、誰も使わなくなります。
テレワークなども、それに応じたコミュニケーション方法を確立している人は、それを便利に感じますが、
対面でなんとなく他人に話しかけることが常態化している人は、テレワークでのよりよいコミュニケーション方法を研究し、必要な技量を身に着けていないため、
テレワークはやりにくい
と感じてしまうわけです。
このように、コミュニケーションコストを下げる方法の中には、
「使う者の技量のレベル」
が要求されるものがチラホラ存在します。
そのため、平易に言えば、
技術の進歩や新しい方法についていくための勉強
が常に必要になると言えることでしょう。