一般的に、
「若い頃はお金を使った方が良い」
とか
「思い出を若いうちにしっかりと作っておこう」
と言われることがあります。
なぜこのようなことが言われるかというと、
X歳の時の経験というのは、X+1歳の時の経験よりも1年分の追加で効用を発揮できるだろう、
という期待があるからですね。
例えば、
15歳の時に脱毛を行うこと
と
30歳の時に脱毛を行うこと
では、単純に考えて15年ほど差があります。
この15年間をどのように過ごしたいのか、という違いがあるのですね。
特に思春期の際に脱毛の事で強く悩んだ経験がある人にとっては非常に切実な問題だと思います。
仮に、15歳の時に永久脱毛が完了すれば、その後の不満足がいくらか解消される可能性があります。
そして、
「今のうちに脱毛を進めておけば、その分悩まない時間ができますよ」
というセールストークが出来上がります。
これに賛同し、脱毛手術を早いうちから済ませる人も最近は増えてきました。
とはいえ、周知の通り、脱毛にはお金も時間もかかります。
また、時機によって、その施術の技術の進歩などが変わりますし、料金体系も変わります。
また、上記のように、思春期において脱毛に対して切実な悩みを抱えている人もいる一方で、
「よく考えたら、今は、そこまで気にするべき状況ではない」
という人もいるわけです。
「よく考えると、むしろ脱毛よりも●●受験に対して本気を出す必要がある」
という状況の人もいます。
また、
15歳の頃には技術がそこまで良くなかったが、30歳の頃には技術が飛躍的に高まり安全性が増した
というパターンも存在します。
このように色々と考えていくと、
原則として、若いうちに決断し、効用を得た方が良い、ということは確かに言えるかもしれませんが、例外はいくらでも存在するわけです。
むしろ、そこにつぎ込むべきだった金額を投資に一旦回して、投資で利益を得た後に、数十年後に、改めて、満を持して使用する
といったやり方をとったほうが結果的に良い判断を行えることもあります。
目の前に、
A
B
C
という選択肢が出てくると、
「AとBとCはどれが一番お得なのだろうか?」
と提示された選択肢の中からついつい考えがちですが、
「実は、私が知らないだけでDという選択肢が世の中には存在するのではないか?」
ということを一度落ち着いて考えてみることは非常に重要です。
そして、それ以上に重要なのは、
「実は、今は、AとBとCとDしか選択肢が存在しないが、●年後にはEという選択肢が発生するのではないか?」
という発想です。
未来においては、全く予想もできなかった選択肢が存在している可能性が実はあるのです。
もちろん、これを事前に完璧に予測することは困難でしょう。
選択肢Eがそもそも発生しない可能性もありますからね。
しかし、よくよく調べると、分野によっては、選択肢Eの発生にかかる「兆候」が見られるのです。
この辺りは、
本を読むのか、
ネットで調べるのか、
現地を見るのか、
色々な方法があると思いますが、そのような「兆候」を見つけてしまえば、
合理的に、選択肢Eが発生する可能性を現実的なものと捉えた上で、判断を行うことが可能でしょう。
何か物事に対する大きな判断を行う際には、
選択肢Eの存在
を頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
これにより、
即決すべき決断なのか、あるいは、先送りすべき決断なのか、
それを判断することが可能になります。