昔は、いや、今でもそうかもしれませんが、いわゆる転職活動の最後の障害として、
「嫁ブロック」
ということがよく言われていました。
要は、既に内定をゲットしていて、本人である旦那は転職する気があるのに、
嫁から「転職はするな」と言われ、結局諦める、という状況のことを指すようです。
特に、年収が今よりも下がる見込みがある場合によく発動されるようです。
このような障害に対して、
「家族すら説得できないなんて」
などと言う人もいますが、
住宅ローンなどのように、
「今の年収を維持し続けられる」
という前提の負債がある場合は、そうもいっていられないでしょう。
年収が下がってしまって、住宅ローンが返せなくなってしまえば、生活が破綻してしまう可能性が高い以上、そのようなリスクを取りたくなくなるのもなむなしかもしれません。
一方で、最近はペアローンも流行っているようです。
夫婦それぞれで住宅ローン控除を狙ったり、より値段が高い物件を購入したい場合に行われるようです。
このようなペアローンを組んでいる家庭の場合、
「嫁ブロック」
ならぬ
「旦那ブロック」
も発動されることが多いようです。
例えば、嫁の方が公務員として今まで働き続けてきたのに、
「民間企業に転職したい」
という話になったら、安定性がかなり変わってくるため、
ペアローンを組んだ当初の計画が狂ってくる可能性があります。
そうなれば、
「旦那ブロック」
が発動されてもやむなしでしょう。
「嫁ブロック」があれば「旦那ブロック」もある
という意味では以前に比べればしっかりと男女平等が進んでいるということもできるのかもしれません。
しかし、このような意識の背景において、
ペアローン
のように、夫婦それぞれが経済的な責任を分担する、分担せざるを得ない、といった状況が存在することは見逃せません。
ペアローンさえ組んでいなければ、
「嫁ブロック」「旦那ブロック」
も発動しなかった可能性があります。
諸事情によりペアローンを組まざるを得ない、という状況に追い込まれた時点で、夫婦ともにその人生の将来にわたる可能性がどんどん制約されているのかもしれません。
ペアローンは便利な点もありますが、離婚リスク以外のこのようなリスクを念頭に入れる必要があるでしょう。