近年は、相対取引をすることもあれば、
画一的な内容の取引をすることもあります。
とはいえ、基本的には、相対取引を行った方が自分にとって有利な契約条件を引き出しやすく、時には、
「特別扱い」
をしてもらえると感じます。
例えば、昔は、よく近所の八百屋さんあたりで、
「このトマトを〇円まけて欲しい」
といった形で値段交渉をする人を目にしたこともあります。
最近は、人が介在しないことから、
「〇円まけて欲しい」
といった値段交渉ができない無人レジなどの場面もありますが、
このような取引は面倒なコミュニケーションがない一方で、「特別扱い」をしてもらえる可能性もぐっと下がるという特徴があります。
人と相対取引をすると面倒なこともありますが、交渉の仕方によっては
「特別な計らい」
などもあり得るため、これは現状における相対取引や人を介した取引の大きな利点であると感じます。
このような相対取引の柔軟性というのは、特に大きな金額が動く取引では重要になるでしょう。
例えば、不動産売買などもそうですし、
仕事を得る場合のオファー内容の交渉などもこれに該当するかもしれません。
動く金額が段違いです。
一方で、自動販売機でジュースを買ったり、コンビニでちょっとしたものを買う場合は、金額が少額であることも多く、人が介在することによるコミュニケーションコストの高さの割に得られる利益も少なくなりがちです。
私は、コンビニに関しては、無人レジやセルフレジの方がありがたいと感じやすいのですが、これは少額取引ではこのような相対取引のメリットがほとんど感じられないからこそ、無人にしてほしいと感じやすいのかもしれません。
一方で、大きな金額が動く場合、契約内容が非常に重要になってくるため、
「特別扱い」のための交渉を惜しまないことが重要になってくるでしょう。
未だに、不動産業界などにDX化の波がなかなかやってこないのは、このような事情もあるのかもしれません。
ちょっと面倒だとしても、有人によるコミュニケーションコストをかけるだけのリターンがある程度期待できるのですね。
もしかしたら昔ながらの八百屋さんでの値段交渉というのは、コミュニケーションコストをかけすぎなのかもしれません。
しかし、例えば、近所の人など、その店にとってのリピート客であれば、積もり積もって大きな金額が年間において取引されることにつながるので、結果的にコミュニケーションコストをかけるだけのリターンがお互いにあるのでしょうね。
最近は、メルカリなどでも、値段交渉をする人がいるようですが、
これも取引が少額であればあるほど、コミュニケーションコストをかけるだけのリターンがお互いに感じられず、
「こんな面倒な人は相手にしたくない」
と思われ、交渉が決裂する可能性もありますが、それを乗り越えられれば、交渉が上手くいく可能性もあります。
重要なのは、何か取引をする際に、
「人が介在するようならば『特別扱い』の交渉が可能なのではないか?」
という発想を頭の中に常に持つことでしょう。
交渉の成功確率はそのあと考えればよいのです。
たとえ、細かい字で契約約款が書いてあっても、
「この部分何とかなりませんか?」
という交渉を行うことは可能です。
交渉が上手くいくかもしれませんし、上手くいかないかもしれません。
しかし、重要なのは、
「交渉が可能なのでは?」
と考える癖なのです。