「何故、人は仕事をするのか」
という問いを考えることは頻繁にあります。
生きていくための生活費が足りない
という状況であれば、
「お金のために働かざるを得ない」
ということになるので、
取り敢えず、生きていくために仕事を行うことになるのですが、
ある程度、資産所得でこの辺りの問題が解決してくるようになると、それは、
「お金のため以外であったら何故働きたがるのだろう」
という問いかけになってきます。
人によっては、
「暇だから」
が答えになるのかもしれませんし、
「社会的信用のため」
「世間体のため」
が答えになる人もいるかもしれません。
あるいは、
「自分の成長のため」
と考える人もいるかもしれません。
さらに人によっては、
「自己実現の手段のため」
と答える人もいるかもしれません。
例えば、自己実現、すなわち、個性を実現するために仕事をするというのであれば、
それは、
「私にもできる仕事」
ばかりをやっていても、たとえそれによって高給を得られていても心が満たされることはないでしょう。
いくら、高年収であっても、どこか、
「この仕事であれば、私以外の○○さんでもできる」
という形で、他のライバル的なポジションの人の顔が浮かぶなどして、どこか、満足できないのかもしれません。
むしろ、こういうタイプの人は、
「これは、あなたじゃないとできない仕事」
と言われるようにならないと、自分自身の特殊性や個性を感じられないため、普通に仕事をして、普通に対外的な評価を得られても満足できなくなるのです。
もちろん、そのような
「私でなければできない仕事」とは何なのか?
という問いに対する答えを見つけることは容易ではなく、人によっては、長い間様々な「私にもできる仕事」を続けてようやく見いだせるものなのかもしれません。
しかし、もしも、自分が自己実現の手段として仕事以外の分野で脈を感じられないのであれば、
「私でなければできない仕事」
を追求していくことになるのでしょう。
こうして、
お金に余裕はあるが、仕事を楽しみ、そして、引退する気配がみられない人
が誕生するのかもしれません。