【第1637号】借り物の権威や社会的地位に頼らざるを得ない人たち

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私たちの社会では、会社員や公務員といった職業に就くことで、ある種の権威や社会的地位が自然と付与されます。これらは個人の努力や才能とは別に、組織や肩書きがもたらす「借り物」の力によるものです。しかし、この権威や地位は永続的なものではなく、退職という一つの転換点を迎えた瞬間に脆くも消滅してしまうことがあります。この現実を踏まえ、個人としての力を持たない人々がそのような「借り物の権威」に依存せざるを得ない状況について考察し、そこから導かれる人生の教訓を具体例とともに探ってまいります。

借り物の権威とは何か

会社員や公務員として働く人々は、所属する組織や役職によって社会的な信頼や影響力を得ます。例えば、大企業の部長や役所の課長といった肩書きは、それだけで周囲に一定の敬意や権威を印象づけます。しかし、この権威は個人の本質的な能力や人格に基づくものではなく、あくまで組織が提供する一時的な「借り物」に過ぎません。退職すれば、その肩書きは失われ、昨日まであった社会的地位は一夜にして消えてしまいます。

具体例として、ある中堅企業の部長を務めていたAさんを考えてみましょう。Aさんは長年、部下を統率し、取引先との交渉を成功に導いてきました。周囲からは「部長」として一目置かれ、会議での発言も重みを持って受け止められていました。しかし、定年退職を迎えた途端、Aさんの電話は鳴らなくなり、かつての部下や取引先からの連絡も途絶えました。肩書きがなくなったAさんは、ただの「元部長」に過ぎず、社会的地位を失ったことで初めて、自分自身の力の乏しさに気づいたのです。

退職後の現実と脆さ

このような事例は珍しくありません。特に、長年組織の中で安定した地位を築いてきた人ほど、退職後の落差に戸惑う傾向があります。公務員として30年以上勤めたBさんのケースも同様です。Bさんは地方自治体の幹部として、地域住民や同僚から頼りにされる存在でした。退職後もその影響力が続くと思い込んでいたBさんでしたが、現実は厳しく、かつての部下は新しい上司に忠誠を誓い、住民からの相談も後任者に移ってしまいました。Bさんは「自分には何も残っていない」と感じ、初めて組織が与えてくれていた権威の脆さに直面したのです。

この脆さは、借り物の権威が個人の実力や人間性に根ざしていないことに起因します。会社員や公務員としての地位は、組織のルールやシステムによって支えられており、個人がその地位を離れれば、支えを失った家のように崩れ落ちてしまいます。一方で、個人としての力――例えば、独自のスキル、人間関係の構築力、創造性――を持たない人は、この崩壊を防ぐ術がなく、結果として借り物の権威に依存する人生を歩むことになります。

個人としての力がない人の依存傾向

個人としての力が不足している人は、借り物の権威や社会的地位に頼らざるを得ない状況に陥りがちです。例えば、Cさんはある大企業の社員として、会社のブランド力を背景に営業成績を上げてきました。しかし、Cさん自身に特別な交渉術や専門知識があったわけではなく、会社の名前が取引先を引きつけていたに過ぎませんでした。転職を考えた際、Cさんは自分の実力が試される環境に身を置くことに恐怖を感じ、結局その企業に留まることを選びました。このように、個人としての力が育っていない場合、地位や肩書きに依存する傾向が強まり、自立した人生を築くことが難しくなります。

また、学生時代から安定志向が強く、公務員試験に合格したDさんの例も挙げられます。Dさんは公務員という地位に安心感を見出し、仕事では与えられた役割を忠実にこなしてきました。しかし、創造的な提案やリスクを冒す挑戦を避けてきたため、退職後のセカンドキャリアを考える際に、何をしたいのか、何ができるのかがわからなくなってしまいました。Dさんのように、借り物の地位に依存し続けた結果、個人としてのアイデンティティや能力が育たないケースは少なくありません。

ここから導かれる人生の教訓

これらの事例から、私たちは何を学ぶべきでしょうか。まず一つ目の教訓は、「借り物の権威に頼りすぎないこと」です。会社員や公務員としての地位は確かに魅力的ですが、それが永遠に続く保証はありません。退職や転職、組織の変動によって失われる可能性がある以上、それだけに人生の基盤を置くのは危険です。AさんやBさんのように、地位がなくなった後に途方に暮れるのではなく、地位があるうちに個人としての力を育てることが重要です。

二つ目の教訓は、「自分自身の価値を築く努力を怠らないこと」です。CさんやDさんのように、組織の力に依存し続けると、自己成長の機会を逃してしまいます。例えば、仕事の中で新しいスキルを習得したり、副業や趣味を通じて独自の強みを磨いたりすることは、退職後も活かせる財産となります。たとえ小さな一歩であっても、自分にしかできない何かを見つけ、育てていく姿勢が、借り物の権威に頼らない人生を可能にします。

最後に、「変化に備える柔軟性を持つこと」が大切です。地位や肩書きが失われることは避けられない現実です。その時に慌てず、自分を再定義できるかどうかは、日頃からの準備にかかっています。例えば、退職後に地域ボランティアとして活躍する元公務員や、趣味の写真を活かしてフォトグラファーに転身した元会社員など、地位を失っても新たな道を見つけられる人は、変化を恐れず柔軟に適応する力を持っています。

結論

借り物の権威や社会的地位は、一見すると安定した人生を約束してくれるように見えます。しかし、その脆さゆえに、退職した瞬間に消滅し、個人としての力がない人を不安定な状況に陥らせます。Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの事例からわかるように、地位に依存する生き方は一時的な安心をもたらすかもしれませんが、長期的には自立を阻害するリスクを孕んでいます。だからこそ、私たちは借り物の権威に頼りすぎず、自分自身の価値を築き、変化に柔軟に対応する力を養うべきです。これらの教訓を実践することで、肩書きがなくなっても揺るがない、確かな人生を歩むことができるでしょう。

美紀のプロフィール
夢見がちな社会不適合者

社会人7年目かつ会社経営者(法人5期目)。
都内在住、マッチングアプリ上位0.0X%(上位3桁)の超人気女性会員。
フォーチュンレディ (Fortune Lady:幸運な女性)

かつて不登校になり片っ端から出席点を落としまくる。高校生の頃は家出経験も。
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INTJ型女性による皆既日食への歩み
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