【第1671号】「AIにはできないことは“泥臭さ”だけ」それ本気で思ってますか?

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※本記事は「匿名」さんの考察リクエストに応じて作成されております。「匿名」さんご支援いただきありがとうございます。

はじめに

最近、「AIが人間にできないことは“泥臭さ”や“人間臭さ”だ」という話をよく耳にするようになりました。

たとえばコンサルタント業界では、AIに分析や戦略提案を任せる流れが加速する中で、

「今後は人間にしかできない“感情の調整”や“合意形成”が価値を持つ」といった議論が目立ちます。

たしかに、そうした仕事は一見AIには難しそうに見えます。

でも、それが人間の「最後の砦」だとしたら、少し寂しくないでしょうか?

本当に、人間の価値は「空気を読める」「しがらみを乗り越えられる」くらいの話なんでしょうか?

今回は、そんな「AI時代の人間の役割」について、少し違った視点から考えてみたいと思います。

「泥臭さ」ではなく、「判断軸を問えるか」が人間の分岐点

AIは、私たちが何かを「判断」しようとするときに、

過去の膨大なデータをベースにして、非常に“それっぽい”答えを出してくれます。

だからこそ、

「このままAIが全部決めてくれたら楽なんじゃないか」

「もう人間は、空気を読んで動くだけでいいのでは」

と思ってしまう人もいるのかもしれません。

でも、ここで忘れてはいけないのが、AIは“枠の中での最適解”しか出せないという点です。

たとえば、会社の未来を考えるとき。

  • この市場は本当に魅力的なのか?
  • 我々は何のために存在するのか?
  • この制度は、今も有効なのか?

こうした問いに、AIは原理的に答えられません。

なぜなら、AIはあくまで「過去のパターンを最適化する存在」であって、

「そもそも何を価値とするか」という判断基準をつくることができないからです。

たとえば、こんな問いをAIは立てられない

想像してみてください。

あなたが働いている組織で、誰もが「当たり前」と思っていた慣習があったとします。

ところが、ある日、社外から来た一人のアドバイザーがこう言います。

「そもそも、それって必要ですか?」

この一言で、その場の空気が変わり、

長年続いていたプロセスが廃止されたり、制度が刷新されたりした経験はありませんか?

この「そもそも」という視点。

それこそが**AIには持てない“枠を超える問い”**なのです。

社外の人間が“空気が読めない”ことは、むしろ強み

よく、「社外の人間には現場の空気がわからないから使えない」という声を耳にします。

でも私は、それを逆に捉えています。

現場にどっぷり浸かっていないからこそ、“見えない前提”を問い直せるのです。

たとえば、「なぜこれを毎週会議で報告しているのか?」「誰のためにこの数字を出しているのか?」といったことは、内部の人間には案外見えていません。

社外の知性は、“現場で実行する人”ではなく、**“判断軸そのものを組み替える人”**であるべきです。

AIと人間の“いい関係”って、どういう形?

これからの時代、「AIを使える人」は増えていきます。

でもそれだけでは差がつかない。むしろ本当に問われるのは、

  • AIの答えをどう読むか?
  • その答えに対して「なぜ?」と問えるか?
  • 答えではなく「問い」を再設計できるか?

という部分ではないでしょうか。

私はこれを、**「判断軸の編集者」**と呼びたいと思っています。

AIは素材をくれます。でも、何を価値とみなすかは、やっぱり人間の仕事なのです。

「泥臭さ」も「人間臭さ」も否定はしない、しかし──

もちろん、人と人との間でしか起きない「信頼形成」や「感情の読み合い」に価値がないとは言いません。

でも、それだけに人間の価値を押し込めてしまうのは、あまりにももったいないのではないでしょうか。

人間が本当に発揮すべき価値は、

  • 世界をどんな視点で見るか
  • 問題の構造をどう捉えるか
  • 既存のルールや制度をどう読み替えるか

といった、**“見えないものを変える力”**ではないでしょうか。

最後に:私たちは「見えないもの」を変えるためにいる

AIの進化に伴って、さまざまな職業やスキルが見直されています。

でも、どんな時代でも「問いを変える人」がいたからこそ、組織も社会も進化してきました。

データを処理し、予測し、提案するのはAIでもできます。

けれど、「この提案は、私たちの“価値観”に本当に合っているか?」と問い直すのは、やはり人間にしかできないのではないでしょうか

人間とは、世界の判断基準そのものを問い直す存在。

そんな自覚を持つことで、私たちは「AI時代」の先を生き抜いていけるのではないでしょうか。

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美紀のプロフィール
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