私がクライアントへのコンサルティング業務を行う際に最重要視しているのは、
今までご本人の中で全く考慮されていなかった未知の視点を提供し、それを検討していただくこと
です。
これはすなわち、クライアント側が
「そもそも質問を思いつかなかった」
という場合や、
「検討してすらいなかった視点」
を浮上させて、
「そのような視点があったのか」
「そこに落とし穴があったのか」
「それも考えないといけなかったのか」
ということに気付いていただき、問題点の整理を改めて行うことにつながります。
本人が明快な問題意識を持ち、自分自身で明確な質問を用意できる場合というのは実は多くはありません。
むしろ、明確な問いや質問が思いついている時点でほぼ答えにも辿り着いていることが多いです。
この場合、ググれば答えが出てくることも多いため、問題を自分で解決することが可能です。
しかし、明確な問いを持っていなかったり、そもそも質問を考えられないという状態だとそもそもググることすらできないため、自分自身の力だけではにっちもさっちもいかない、ということになってしまいます。
したがって、このような本人が全く気付いていない未知の視点を提供することができる人が必要になるわけです。
場合によってはこの未知の視点について未知すぎて想像がつかなさそうな場合には理解を助けるためにいくつかの参考資料も私から提示することもあります。
このような試みによって今までご本人の中で朧気だった問題の解像度を上げることが可能になります。
そして、問題の解像度を上げることができれば、明快な問題意識をそこから導き出すことが可能になるため、そこから明確な質問や問いが生じることとなり解決に向かうことも多いです。
このように、自分自身が気づきもしなかった未知の視点を手に入れることができるかできないかによって問題の解決スピードが圧倒的に変わることはよくあります。
そして、特に人生を左右する大きな決断を行う場合には、人生の転ばぬ先の杖として、
「自分自身が見落としている未知の視点が実は存在するのではないか?」
ということにまずは注意を払うべきだと考えられます。
無知の知という言葉がありますが、
自分が知らない領域や視点が実は存在しているのではないか?
というメタ認知の視点で物を考える習慣がある人は、勉強を怠らない傾向にあるため、
自分が専門的な知識を有していない場合であっても事前の取り組みによって最悪の状況を免れることができる傾向にあります。
このように問題が起こる前に問題の発生自体を防ぐことができる取り組みを如何に多くできる状態にするのか、というのがリスクマネジメントの観点からは非常に重要だと言えます。
多くの人は問題が発生してからその問題を解決するために奔走することが多いですが、このような重要かつ緊急の活動としての第一領域の活動ばかりに追われるのではなく、
問題そのものを発生しないようにするという重要かつ緊急ではない第二領域の活動の重要性にいち早く気づき、そのための方策を打っておくという視点を持っておくと、徐々に人生が好転していくことになるでしょう。
このような考え方が私の根底にあるため、
今までご本人の中で全く考慮されていなかった未知の視点を提供し、それを検討していただくこと
ということを意識してコンサルをさせていただいております。