「ブラック企業には就職したくない」
あるいは
「ブラック企業には転職したくない」
そう感じている人は多いと考えられます。
しかし、同時に
「実際に勤め先で働くまではその勤め先がブラック企業なのかどうかはよくわからない」
と感じている人がほとんどだと思われます。
一般的に噂になるレベルの明らかなブラック企業と呼ばれるようなところもあれば、
さほど噂にはならないものの、十分にブラック企業と言えるような危険な勤め先も存在するようです。
前者は最初から避ければよいだけですが、後者を避けるのは難しいと感じることでしょう。
多くの勤め人は今いるところの労働条件が悪すぎて早く逃げたいと思いつつも、
「しかし、次に転職した先もまたブラック企業だったらどうしよう……」
といった不安感からなかなか踏み切れないという人も多いようです。
これはそもそもの話、
転職した先に慣れるまでに時間がかかってしまうことから、その間に削られる気力なども存在するため、
そのようなリスクのある判断をするよりも、
今目の前に見えている確かな苦痛に耐える方がある意味楽に感じる、
という感覚も影響しているようです。
実際に、転職した経験がない人が、今の職場に不満を持ちつつもなかなか転職しない理由の大部分は
「転職が不安だから」
というものであるようです。
したがって、
転職に伴う不確実性という不安を何とかして乗り越える必要がありそうです。
ところで、私の感覚として、
「ブラック企業ほど転職が容易で、優良な勤め先であるほど転職が困難である」
という法則があると感じています。
具体的には、
①選考書類を出してから面接に呼んでもらえるまでが異様に速い(一週間もかからない)
②面接の回数もやたらと少ない(3回もやらない)
③面接で齟齬、ミスマッチがありそうなやりとりがあったとしても何故か内定が出る
④年中、転職の求人が出ている
⑤転職エージェントがやたらと転職先としておススメしてくる
あたりの傾向があると感じます。
どうしてこのようなことになるかというと、
ブラック企業を始めとした人手不足の企業ほど何でもいいからさっさと人手を補充したいと感じている
ことから、
取り敢えず業務が回らないので早く人を入れたい
と感じるような動きになりやすいのです。
このような勤め先の場合、
早期退職者も多い
傾向にあるため、
とにかく慢性的に人手不足になりやすいのです。
また、その勤め先における利益率の悪さなども大いに影響します。
例えば、クライアントから入金される報酬額が異様に低額の場合には、
仕事量は異常に多い癖に売り上げはそこまで多くない
という状況になりやすいため、
仕事そのものの量は多い癖にそこまで給料も上がりにくい
という状況に陥りやすいので、
結果的に
仕事量が大変多くて激務になりやすい癖に給料も低い
という正真正銘のブラック企業になっている可能性も高いのです。
このような事情もあって慢性的な人手不足になっているところは、
①選考書類を出してから面接に読んでもらえるまでが異様に速い(一週間もかからない)
②面接の回数もやたらと少ない(3回もやらない)
③面接で齟齬、ミスマッチがありそうなやりとりがあったとしても何故か内定が出る
④年中、転職の求人が出ている
⑤転職エージェントがやたらと転職先としておススメしてくる
あたりにその片鱗が出てきやすいのです。
ちなみに⑤の
⑤転職エージェントがやたらと転職先としておススメしてくる
については、
不動産におけるAD(特別広告料)と同様に、転職者を紹介してくれた場合において、その分転職エージェントに支払われるエージェントフィーの額を通常の案件よりも盛っていることから、転職エージェントにとってはおいしい案件と言えるため積極的に進めてくる、ということになりやすいようです。
したがって、転職エージェントにとってはおいしい案件だが転職者にとってはおいしくない案件という状況になりやすい、という事情がありますので、この点も注意が必要です。
逆に、優良企業の場合にはこれと全く逆の傾向になりやすいようです。
何故ならば、優良企業は
そこまで現段階では人手不足ではないため、そもそも採用をそこまで急いでいない
ためです。
したがって、採用するにあたってもそもそもそこまで求人を積極的に出していないうえに、
採用するにあたっても
「優秀な人以外はうちは必要としていません」
という姿勢を全面的に見せてきます。
結果的に書類がそもそもなかなか通らない、面接に呼んでもらえない、という話になることも多いようです。
しかも、
変な人、相性が合わない人を入れたくない
という姿勢を強いため、
面接の回数もミスマッチを避けるためにも非常に多くなりがちです。
面接の回数が多いということはその分時間を取られるため、内定などが出るのが一番遅くなる傾向にもあります。
人によってはこれが待ちきれずにすでに内定をもらえたところにさっさと決めてしまう人もいるようですね。
そのため、結果的に、
「そこまで転職を急いでいない、時間的に余裕のある労働者」
の方がそのような優良な企業に内定をもらいやすい、という傾向もあるようです。
このように、
ブラックな勤め先と優良な勤め先の傾向の違いというのを知っておくと転職活動においても不安の中でも判断が容易になるでしょう。