人にもよりますが、
多くの人は目の前の
「やるべきこと」
に忙殺されがちです。
これはタイムマネジメントの観点で言うと、
緊急かつ重要な活動
として、第一領域と呼ばれる事柄です。
具体的には、
「今日中にこれをやっておいて」
と指示された仕事をこなしたり、
事故が起こってしまった際にはそれに早急に対処しなければいけない
といった状況を指します。
このような緊急かつ重要な活動としての第一領域はおおよそ
締め切りがかなり近い
という特徴があります。
締め切りがかなり近いからこそ
いわゆる
締切効果
と呼ばれる心理効果が発揮され、
「今日中にこれをやらなければいけない」
という意識が働くため、
そのような第一領域をこなすことはできる、
という人は多いようです。
しかし、このような締切効果は
多くの場合
他人によって勝手に設定されたもの
が多くなりがちです。
仕事などは納期が指定されることがほとんどでしょうから、
そのような形で
他人に勝手に近い締切を設定してもらえる
という特徴があります。
自分で締切を設定できる人はこのような第一領域の特徴に対して敬遠しがちですが、
中には、
自分でいちいち締切を決めるのが大変だから他人に締切を設定してもらった方が実は気が楽
という気持ちになっている人もいるようです。
しかしながら、このような他人から与えられた締切に沿って、締切効果を発動し続けていると、
いつの間にかこのような緊急かつ重要な活動である第一領域に自分の寿命を多く費やすことになります。
目の前にある第一領域の活動だけをやっていれば、順調に勝手に幸せになれる、という恵まれた環境に置かれている人もいる一方で、
そのような他人に定められた締切の中で特定のタスクばかりをやっていても、時間ばかりが過ぎていく、という状態に陥ってしまうリスクもはらんでいます。
それは他人から見るとあなたにやってもらえてうれしい事柄なのかもしれませんが、将来的に見てあなたにとって本当に意味のある活動だったのか?と問われると首をかしげてしまう、という人もいるでしょう。
あなたがやるべきことは他人から指定された締め切りまでにやらないといけないことではないのかもしれません。
すなわち、
「いつか○○をやりたいな」
と漠然と感じていることがあなたが本当にやるべきことであるかもしれないのです。
それは他人から締め切りを設定してもらえるわけではありません。
自分が締め切りを設定しなければいけない性質のものです。
しかし、意識的に自分で締切を設定できないと、
「いつかやりたいけれども、今やる必要はない」
という意識になってしまって放置しがちなのですね。
しかも、敢えて取り組まなくても他人から怒られたり叱られたりする心配がないため、気軽にさぼることも可能です。
そのような事柄は放置しておくと、
「いつの間にか忘れられてしまった宿題」
としてずっと放置され続け、記憶からも消えてしまいがちなのです。
しかし、それは
いつかやらなければいけない
とあなたが思っていること。
すなわち、緊急ではないが重要な活動たる第二領域の活動でもあります。
第二領域の活動は締め切りが明確に設定されていないことが多いため、このように、
「いつの間にか忘れられてしまった宿題」
として放置されがちです。
しかし、本当はあなたの人生を進展させるためには、意識的にこのような
「いつの間にか忘れられてしまった宿題」
に気付いて少しずつでも良いので取り組む必要があります。
ふと、時間ができた時には、
このような
「いつの間にか忘れられてしまった宿題」
が自分になかったかどうか考えるのが良いでしょう。
これによって、
「そういえば、やろうやろうと思っていて取り組めなかったことがあったな」
ということに気付けると思われます。