人生というのはどうしても
運
というのが絡んできてしまいます。
そこまでいかなくても、
調子が良い時
と
調子が悪い時
というものが存在するのです。
この調子が良かったという場合というのは、自分の状況や実力に関係なく、
たまたま周りの状況が良かっただけ
という場合も含まれます。
例えば、あなたが毎年多額のボーナスを勤め先からもらえていて、どんどん昇進しているという場合、
「自分が頑張っているからこそ、ここまでの結果が出た」
と感じがちですが、
実際には自分が頑張っているからという理由に限らず、
たまたま景気が良かった
とか
たまたまその勤め先はちゃんと経営出来ていて、従業員にボーナスで還元を行うという方針を取っていた
などといった本人の実力とは関係ない要素で結果が出ているときがあるのです。
また、これは株式投資の世界でも似たようなことが言えます。
常に右肩上がりで株価が上がっていて含み益などが大量に出ていたとしても、
それは投資を行っている人の実力に関係なく、
たまたま右肩上がりの地合いだった
という場合も多々あるものです。
このように、いわゆる調子が良い場合で結果がポンポン出ていたとしても、それはあなたの実力とは関係ない場合だったりすることもあるのです。
したがって、このように周辺の状況が良い状況で維持されていれば問題はないのですが、
一旦、周辺の状況が悪い方向に傾いてしまうと、一気に結果が出なくなってしまいます。
例えば、
景気が悪くなった
というだけで、
ボーナスがいきなりカットされる
ということは十分にあり得るでしょうし、
株式市場の市況が悪くなってしまえば、
あなたの保有する銘柄の含み益は消えうせてしまうわけですね。
これは、本人の実力とは関係なく、ある程度周りの周辺状況によって悪い方向に変わってしまった例と言えるでしょう。
例えば、
株式投資で成功して、勤め先をやめたい
と考えた場合、
市況が右肩上がりの、調子が良いタイミングで退職を判断してしまう人も多いでしょうが、
それはできる限り辞めた方が良いと私は考えています。
特に、2021年はかなり株式市場の市況が良かったためか、SNSを見る限り職場を退職する人が次々と出てきていましたが、
これこそまさに、
「調子が良い時を基準に判断を行った場合」
と言えるでしょう。
2022年は今のところ株式市場の市況がそこまで良くないわけですが、こういったあまり周辺環境がよくない場合、いわゆる調子が悪い場合を基準にものを判断した方がいいと思われます。
例えば、保有金融資産に目標を掲げた場合であっても、調子が良いときにそれが達成したと喜んで次のアクションを起こすのは早すぎると考えています。
株式市場の市況が良いときにたとえ1億円を有していたとしても、
調子が悪い時にはその価値が大幅に下落して5000万円になってしまう、というのもあり得ます。
この場合は、5000万円になってしまった時、という方を基準に色々な意思決定を行うべきでしょう。
たとえ、1億円を保有していた時期があったとしても、それは調子が良いとき特有の「まぐれ」に過ぎなかったと考えた方が良いでしょう。
要は、
今結果が出ていたとしても、それはあなたの実力のみによって成した物とは限らないのだから、慎重になりましょう
という話です。
逆に言えば、
調子が最高に悪いときであっても一定の成果が出せるのであれば、それはあなたの真の実力によるものである可能性が高いです。
いわゆるプロと呼ばれる人の最大の特徴は、
調子が悪いときにも一定の成果を出せる
ことにあるでしょう。
一勝をすることぐらいはプロでなくともできることはあります。
しかし、プロがプロであることのゆえんは、
常に一定以上の成果を出せる、一定以上のアウトプットを出せる点にあります。
これは、調子が悪い時を基準に自分自身の実力を計ることにもつながります。
このような発想はちょっと厳しい発想かもしれないと思う人もいるかもしれません。
しかし、このような発想はまだ成果が出ない時のあなたを助けてくれる考え方でもあります。
調子が良いときがどんどん続いてしまって、実力がないときに下手に成果が出てしまうと、それが当たり前の物だと認識してしまいやすいのです。
ともすれば、
このままの状態が永遠に続いていくかもしれない
などと錯覚しやすいのです。
そのため、
調子が悪いとき
というのを早めに経験出来て、それを基準にものを判断できるようになるというのはあなたを将来的に助ける財産になるのです。
調子が良い時ではなく、調子が悪い時を基準に判断をすることができるだけで人生の安定性は大幅に向上します。
「今は調子が良いときなのか?悪いときなのか?」
と頭の片隅で考えてみるのは重要な営みになるでしょう。