ゲームが動画サイトなどに投稿される際、タイトルに
RTA
と書かれていることがあります。
RTAとは「リアルタイムアタック(Real Time Attack)」の略であり、海外では「Speed Run」とも呼ばれるものです。
単にゲームをクリアするのではなく、如何に短い時間でゲームをクリアするのか?に焦点が当たっているプレイスタイルです。
例えば、以下のようなRTA動画が存在するようです。
RTAを行うにあたっては、スムーズにクリアするため予めゲームの内容を記憶しておいて、その上で最適な操作を行うことが求められます。
したがって、通常プレイでは気づかないような動きを後のことを考えて予め行うこともあります。
中にはゲーム内に存在するバグを巧みに利用して正規の手順とは全く異なる方法でクリアまで到達する手法もあるようです。
このようなバグを利用するのが良いことなのか?
という点には議論があるようですが、許容されている場合も多いようです。
普通ならゲームでは問題となり得るバグの存在までもルールに組み込んでしまえる自由さがRTA文化の特徴であり、そんな自由なルールの中で彼らは記録更新を目指してプレイの腕を磨いています。
このような自由さと極めて熟練度の高いプレイング、そしてバグと仕様を巧みに使った奇想天外な手法によって、RTAのチャレンジは多くの人にとって見慣れたはずのタイトルにも新鮮な楽しみを生み出しており、多くの視聴者に愛される魅力となっているようです。
このような点は、いわゆる
縛りプレイ
と共通するところがありますね。
縛りプレイも視聴者にプレイングにあたって新鮮さを与えてくれるという意味で非常に人気があります。
縛りプレイの場合は、
「そもそもこんな条件でクリアできるのか!!??」
「こんな条件で進めたら詰むのでは?」
という点に焦点が当たっていますが、
RTAの場合はクリアできることは前提で如何に早くクリアするのか、という点に焦点が当たっています。
ゲームによっては、本来は慎重に進める場面でもスピードを優先するために、敢えて敵に突撃するといった破天荒なプレイも見ることができます。
そのような新鮮なプレイを見ることができるのもRTAの魅力と言えるでしょう。
そして、縛りプレイもRTAもそうですが、
ゲームの製作者が本来想定していなかった遊び方
であるという点が面白い点ですね。
通常のゲームでは、シナリオや、プレイヤーの操作環境、アイテムなどが定められています。
これらは、ゲームの製作者が、
「プレイヤーはこう動くだろう……」
といったことを想定して作っている物です。
そして、ちょっとした障害を設定しつつ、努力をすれば、ゲームをクリアできるように絶妙な難易度調整などを行うことでゲームのプレイヤーを楽しませてくれています。
もちろん、製作者が意図した遊び方をするのも十分に楽しいでしょう。
いわゆるクリア後の隠し要素が充実しているゲームの場合でも、製作者の意図のもとプレイヤーは楽しませてもらっていると言えるでしょう。
しかし、縛りプレイやRTAの場合は、特にゲームの製作者が意図していない方法でゲームを楽しむともいえるでしょう。
時には、製作者ですら想定していなかったことに気付いたりしてゲームを攻略する、
という点が縛りプレイやRTAのゲーム動画においては人気があるともいえると思います。
このような
ゲームの独特な楽しみ方
というのは、
バグ技を駆使する時もそうですが、ゲームにおいてゲーム制作者が想定していないことを敢えて取り組んでそれを楽しむという点に自由さ、面白さを感じられるのでしょう。
思えば、人生においても、
親から
「勉強しなさい」
などと命令されてしぶしぶ命令されるよりも、
自分で勉強課題を見つけたりして、自主的に
「これは、面白いかもしれない」
と考えて試行錯誤した方が楽しい物です。
ゲームのRTAは製作者が意図していない楽しみ方だからこそ面白い
と考えると、
人生においても似たように、
誰かに簡単に想定され、半ば世間的圧力によって強制されるようなルート
よりも、
誰も思いつかなかったルート
を独自に開拓した方が面白いかもしれません。
独自のルートを開拓することは、リスクを伴うこともありますが、
それを実践してみてこそ、
縛りプレイやRTAのように、面白みを感じられるのではないでしょうか?