小学校や中学校に通ったことのある人は、
音楽
の授業を行ったことがあると思います。
その過程で、
リコーダー
を吹いた経験はあるでしょうか?
リコーダーはその穴を指で塞ぎながら吹くことで音を出す楽器です。
このリコーダーを扱う際に、
例えば、
一番低い「ド」の音を上手く出せない
として大苦戦した記憶がある人は多いのではないでしょうか?
典型的な場合としては、
リコーダーの一番下の穴まで小指が届かない
とか
届いても上手く穴を塞ぐことができない
といった場合です。
上手く穴を塞げないとリコーダーは狙った音を出すことができません。
一番低い「ド」の音が出ないとまともに演奏ができない曲を弾く場合に、
このように上手く音を出すことができないというのは地味にストレスになります。
よく考えたら、子どもの発達段階においては、手の大きさに差があってしかるべきなのに、
同じリコーダーを用いることによって
上手くリコーダーの音を出しやすい人
と
上手くリコーダーの音を出しにくい人
という差が出てきてしまうわけですね。
私自身は一番低い「ド」の音を出すのは苦手でありつつも、リコーダーを比較的楽しめていたと思いますが、
指がそもそも届かないといった人にとっては音楽の授業は非常につまらない時間だったのではないかと感じます。
しかし、このリコーダーの穴を上手く塞げない問題については、
シリコンキー付きリコーダーという以下の商品が出てきたことによってある程度緩和された面はあるようです。
もともとは軽度の身体障がいがある人向けに作られたものだそうですが、
健常者であっても上手く使用することはできるでしょう。
教育現場ではまだまだ健常者向けともいうべき画一的に量産されたリコーダーが恐らく使われているのだと思いますが、
このような時に想定されている「普通」とは、相応にレベルの高いものだと感じることは多いです。
人によっては、かつて、
「小指がリコーダーの穴まで届かない」
と教師に訴えても、
「指が届かないなんて普通ではない」
といった言葉を投げかけられたことがある人もいるらしいです。
世間で
「普通にできる」
とされていることは、いつの間にかレベルが高くなってしまっていて、頑張っているつもりなのに届かないという例は多いです。
そのようなことがあるため、
「普通」
という言葉に疑いを持つことは重要なのだと感じます。
「普通にできる」
「普通に○○するもの」
といったフレーズを聞いたり、ついつい自分の口から出てしまっていたら要注意ですね。
また、上記のリコーダーのように、
健常者ではなく障がい者向けに作られているとされている物の方がスタンダードになった方が生きやすくなる人が増えてくることでしょう。
例えば、仕事術においても、
発達障害に苦しんでいる人がそのような人向けにお勧めしている内容は、健常者であっても活用しやすい物が多いです。
かつて、リコーダーの一番下の穴に小指が届かなかった人の中には、
上記のシリコンキー付きリコーダーを見て、
「私の学生時代にこのような商品があったらよかったのに……」
と感想を漏らす人もいます。
リコーダーの話に限らず、学生時代において、
「普通とされていることができない」
ことで何らかの苦痛を感じたり、トラウマを植え付けられた人は多いようです。
しかし、上記のような、新しい商品が出てくるようになれば、
その道具のサポートのおかげで、今までできなかったことができるようになる場合もあります。
いつの間にか、そのような便利な商品が開発されていることもあるので、時折チェックしてみるといいかもしれませんね。
今までは上手くできなかったのに、ちょっといい道具を使ってみるだけですんなりできるようになる可能性があります。