「フォロー&リツイートで応募してくれた人の中から○○万円を差し上げます」
このような文言をSNSで見かけたことはありませんか?
「貧乏から成り上がりました」
「5社を経営」
「資産90億」
「最近は稼げる情報をお伝えしたり、10万円を配布したりしてます」
などといった怪しげな文言をbioに記載しつつ、
お金配りの相手を募集するようなツイートをしていたりしており、特にTwitterでよく見ます。
このような怪しげなツイートは2019年ごろからSNSでよく見かけると感じていましたが、
未だにこういうのに応募している人を見かけるので、個人的にはびっくりしています。
「宝くじみたいな感覚で応募している」
という感覚の人もいるかもしれませんが、
最悪の場合、犯罪に加担する可能性もあるため、この手のものには気を付けた方がよく、触らないのが一番だと思います。
お金配り応募ツイートの目的は、
①フォロワーを手っ取り早く増やしてTwitterアカウントを高額で売却
②応募者の個人情報をゲットして「カモリスト」などの売買に使う
といったものが多いと考えられますが、
それ以上に恐ろしい事例というのが、
応募した人が特殊詐欺の出し子として知らぬ間に犯罪に加担させられる
ものです。
具体的には、
「応募した人の中から2万円をプレゼント!」といったお金配りに応募する
↓
「当選したので、銀行口座を教えてください」と言われて教える
↓
教えた銀行口座に200万円振り込まれる
↓
「誤振り込みしてしまいました。間違いがないといけないので、現金で返金していただけませんか?」と言われる
↓
銀行口座から200万円を自分で引き出し、現金を指定された場所で、指定された人物に渡しにいく
↓
相手から「返してくれたお礼です」と言われ、10万円を受け取り、残りの190万円を手渡す。
↓
後日警察から、特殊詐欺の出し子の容疑で事情聴取されるor逮捕勾留(+接見禁止)
といった事例で、
これは、あなたから見えない特殊詐欺の被害者を実行犯が欺いて、あなたの銀行口座を特殊詐欺の振込先として送金させて、それを「これは誤振り込みだった。現金で渡してくれ」と言われているわけですね。
要は、知らない間に、特殊詐欺の振込先口座として、自分の銀行口座が利用されてしまう、といったものです。
このようなことをしてしまうと、
「銀行に誤振込された場合は、組戻しという制度があるのに、何故銀行に相談しなかったの?」
とか
「お礼に10万円渡してもらえるなんてその場でおかしいと思わなかったの?なんで疑いもせずに受け取ったの?」
とか
「こんなに変な点があるのに、報酬につられて、現金を渡しているということから考えると、怪しいお金の支払いに自分が関与しているかもしれないってことはちょっと思っていたよね?」
などと厳しく追及されてしまう可能性があります。
そもそも逮捕勾留されてしまうと20日以上拘束されて、学校や職場にも自宅にも帰れない日々が続くこともざらであるため、それだけで社会的に大ダメージを受けてしまううえに、
特殊詐欺の場合は、勾留に加えて接見禁止処分がかけられることも多く、その場合、友達どころか家族とも面会できず、唯一接見ができる弁護士に頑張ってもらうしかなくなる、といった状況になりかねません。
私自身、この手の実務に何度か関わったことはありますが、実際のところ、かなり苦労します。
ただ、個人的には上記のような事案のように、いつのまにか自分の銀行口座が利用されてしまう事例というのは、
入金されてしまった段階になるともはや判別できない、このような事例では自分では特殊詐欺の一端だと判別することはできない、と感じる人も多いと思います。
近年はマネー・ロンダリング規制が強まってきた流れと相まって、他人の銀行口座を犯罪に使う手口がますます巧妙化しているというのもあり、
普通に生きていると、このような事例を自分の中でアップデートしてその都度気を付けるといったことを行うのは正直難しいでしょう。
お金配り応募RTにはこのような危険性が潜んでいるのです。
あなたも知らぬ間に特殊詐欺の加担者になってしまうかもしれません。
この手の話には気をつけましょう。触らないのが一番です。
そして、不審な入金や誤振り込みがあった場合はまずは銀行などに連絡をして「組戻し」を行うこと、
出金するなどあらぬ疑いをかけられる余計なことはしない、況やオンラインカジノに突っ込んでみるなどといったことはもちろんしてはいけない
このことを覚えておくと良いでしょう。