人間というのは、強力な認知バイアスをもって目の前の物事を認識しています。
それゆえに、同じ文章を違う人に読ませてみると、全然読み方が異なっていたりすることがあり、
文章に書いていない意味を勝手に編み出してみたり
はたまた文章とは真逆の意味を勝手に編み出したりしてしまうものです。
よく、学生の勉強の中で
「現代文の勉強は無意味」
などと考えている人を見かけるのですが、
実際には、目の前にある文章の意味内容を正確に理解できる能力、すなわち
読解力
というのはかなり高度な能力であって、
油断していると人は文章から自分の好みの内容を勝手に読み取ってしまうものなのです。
文章を正確に読み取る力としての読解力は
「そんなの、文章の意味を読み取るだけでしょ???余裕だよ??」
などと、軽視されがちですが、
実際には多くの人は上手くできません。
例えば、あなたはそうではなかったかもしれませんが、
本記事の表題の
「宝くじ7億当選お金持ちが貧乏になる方法」
を
「宝くじ7億当選、貧乏人がお金持ちになる方法」
と勝手に読み間違えた人はおそらく存在するでしょう。
このような読み間違いをするのにはおそらく理由があります。
このタイプの読み間違いをする人は、
「宝くじさえ当たってしまえば、お金持ちになれるのになー」
とか
「宝くじさえ当たってしまえば、今の貧乏な状態から脱出できるのになー」
などと普段から考えていることでしょう。
あるいは、
「取り敢えず、手元にたくさんお金があればいい感じ、安心できそう」
と普段から考えている人もこの手の読み間違いをしやすいと思います。
このような信念を持っている人は、その信念に基づいたバイアスを持っているため、
それと整合性が合うように文章を読みたがるのです。
しかし、
「宝くじ7億当選お金持ちが貧乏になる方法」
という表現にもある通り、
私は、
たとえ今手元にお金がたくさんある人でもなるべくして貧乏になってしまう人が存在する
と考えています。
このような、
未だ金が手元に残っているだけの貧乏人
が存在するのです。
大した金融資産がないのに金持ちのような性質を持つ人
とか
金融資産はたくさんあるのに貧乏人のような性質を持つ人
といった概念にあまりなじみのない人もいるかもしれません。
これは、
目に見える資産、すなわち有形資産にしか着目できていない人によくありがちな傾向です。
逆に、有形ではない、すなわち、人脈、スキル、などといった無形資産に普段から着目している人は、
「未だお金を持っていないだけの金持ち」
や
「未だ金が手元に残っているだけの貧乏人」
という概念はとても理解しやすいでしょう。
例えば、手元から支出される金額自体は少ないのにもかかわらず豊かな生活を送ることができる人も存在します。
あなたが持っているバイアスを認識し、それをアップデートするだけで、様々な物事を理解しやすくなります。
それだけに、普段から自分の持っているバイアスが何なのか、気に留める必要があるでしょう。