普段仕事をしている人は、
自分一人だけ、単独で仕事をしている人もいれば、
複数で誰かと協力し合いながら仕事を進めている人もいることでしょう。
自分一人だけで、仕事をする場合は、自分一人だけの都合とお客さんの都合だけを気にすればよいのですが、
複数で協力し合いながらお客さんと向き合うタイプの仕事の場合は、その人数が多ければ多いほど気を付けるべきことが増えていきます。
しかも、予め、誰がどのようなことをやるのかがわかっている場合には、まだマシなのですが、
ごくまれに、
なんとなく一緒に担当しよう
みたいなノリで、
取り敢えず、アサインされ、
そのままなんとなく空気を読みあいながら進めてみる
などといった雰囲気になるプロジェクトなどがあったりします。
ちゃんとした勤め先で働いている人の場合は、
担当者ごとのお見合い
によって結果的に仕事が進まなくなってしまうことを防ぐために、
予め規律のようなものを決めていることも多いのですが、
これが、社外の人と協力するなどといった話になったり、普段そのような仕事をしていない人同士でなんとなく協力してやろうなどと言った話になると事故率が急激に上がります。
一番よくあるのが、
①メインで担当する人を最初に決めなかったばっかりに、全員の当事者意識が欠けてしまい、時間だけが過ぎていく
といったあたりでしょう。
「あなたがこれを最初に扱ってください」
といった明確な指示がないと、なんとなく動きにくい、と感じる人は多いです。
「あなたにお願いしていいですか?」
「わかりました」
といった応答は面倒ですが、やっておくだけで、当人の当事者意識は上がります。
その次によくあるのが、
②内部の締め切りを設けなかったために外部への納期直前にバタバタする
といった現象です。
例えば、12月1日に外部への締め切りが存在する場合、
「これは、一旦内部で11月25日には進捗を報告してください」
といった話をしておかないと、
外部への締め切り直前になって、アウトプットが提出され、
「……???これはやり直さないとまずいのでは?」
といった状況になって一気にメンバーが慌て始める
といったことにもなりかねません。
確かに、内部締切を設定しなくとも、仕事ができる人は
「できる限り、早めに報告して、一旦相談してみる」
などといったことが自然とできたり、
誰にも何も言われなくとも、
「取り敢えず、私の方で検討してみます。11月25日にはいったん報告をさせていただきますね」
などと自ら申し出てくれる優秀な人も存在するのですが、
慣れていない人は正直これは苦手でしょう。
ですから、
「一旦、11月25日に内部の締め切りを置きましょう」
といったことを担当者間で定めておくことも結構重要です。
取り敢えずの締め切りが設定されているだけで、上手く取り組みやすくなるという人も存在するのですね。
他にも事故が起きやすい話としては、
③取り敢えず、80%の分量を各担当者に割り振っておいて、残りの20%は早めに仕事が終わった人に名乗り出てもらって担当してもらう
という方式を採用する場合ですね。
これは、大量の仕事があるが、どの部分の仕事が難易度が高いのかが事前にわからない場合によくされる傾向にあります。
この場合も、高い確率で、「早めに仕事が終わった人」というのがそもそも出現しません。
そして、ほとんどの人が、
「私は早く終わったので、残りの仕事の分は私の方でやっておきますね」
などといった気の利いたことは言ってくれませんし、
締切ギリギリになるまで、残りの20%は誰が担当するのかよくわからないままに放置されます。
こうして、事故が起こりやすくなります。
大量の仕事があって、どの部分の比重が重い・難易度が高いのかわからない場合であっても、
「取り敢えず、全部割り振っておいて担当者に実際に取り組んでもらってみて、きつくなった人が出てきたらヘルプを出してもらう」
といった方法の方が事故率が下がります。
上記のような、
①メインで担当する人を最初に決めなかったばっかりに、全員の当事者意識が欠けてしまい、時間だけが過ぎていく
②内部の締め切りを設けなかったために外部への納期直前にバタバタする
③取り敢えず、80%の分量を各担当者に割り振っておいて、残りの20%は早めに仕事が終わった人に名乗り出てもらって担当してもらう
といったことを防ぐことができれば、複数名での仕事はほとんどの場合、大事故を防ぐことは可能でしょう。
上記の①②③を見て、
「こんなの当たり前じゃん。普段からやってる」
と思う人は多いかもしれません。
しかし、私が見ている限り、
いわゆる勤め先内部で、いつものメンバーでやる際には上手くできるのに、外に出た瞬間に上手くできなくなる人が出現します。
これはおそらく、
勤め先の仕事に対しては、どの程度の当事者意識をもって自分がやるべきなのかが事前にある程度把握できるが、外に出た瞬間その情報がないため感覚がつかめない
とか
一緒に担当する人がどれほど意欲がある人なのか、事前に情報がないために、よくわからない
といった状況に陥るためだと考えられます。
普段から一緒に仕事をしている人同士は普段からコミュニケーションができているので、お互いの性格や仕事の能力をある程度把握できるため、事前に共有できている情報が多いのですが、
ほぼ初対面の人同士となるとこの辺りの情報が全然ないため、
よりマネジメントに関する能力がないと上手く仕事をすすめられないのですね。
最近は、リモートワークなどによって同じ勤め先の人であっても、部署が違ったり、入ってきた新人等の場合は、お互いの状況が把握しにくかったりするのですが、
社外の人となるとなおさら情報が欠けることになります。
複数名で仕事を担当する際にはマネジメントをしっかりとする必要が出てきますが、
結局のところ、
コミュニケーションがしっかりと行えているかが重要になります。
さしあたり、
①メインで担当する人を最初に決めなかったばっかりに、全員の当事者意識が欠けてしまい、時間だけが過ぎていく
②内部の締め切りを設けなかったために外部への納期直前にバタバタする
③取り敢えず、80%の分量を各担当者に割り振っておいて、残りの20%は早めに仕事が終わった人に名乗り出てもらって担当してもらう
といったあたりを気を付けておくと多くの仕事では大事故は起こらなくなるのでしょう。
マネジメントという単語を使うとなんだか小難しい印象を持つかもしれませんが、
本に書いてあるような難しい話以前に、
この辺りの基本的なところを押さえることからまずは始まるのだと思います。