最近は、副業という形を始めとして、個人事業主やフリーランスとして仕事をされている人も増えてきました。
実際にこのような仕事に挑戦してみるとわかることとして、上位に上がるのが、
なかなか売掛金が回収できない
という現実です。
勤め人の場合は、多くの場合黙っていても、銀行口座に賃金が入金されるので、仕事さえまともに取り組めばお金に関しては確実に払ってもらえるものと思いがちですが、残念ながらそうとは限りません。
フリーランスの場合、例えば、
月末締め翌月払い
などといった形で、
9月中に終了した案件の報酬支払が10月末になってしまう
ということもよく起こります。
そして、何もしなくとも報酬をしっかりと入金してもらえるのであれば何の問題もないのですが、しばしば
「あれ?もう11月に入っているのに売掛金が入金されていないぞ???」
などといった事態になる可能性があります。
悪質な取引先は、強く催促されなければ支払わなくても良いと言わんばかりに入金を放置し、こちらの泣き寝入りを待つこともありますし、
そこまで悪質ではなかったとしても、
たまたま振込の締め切り日を忘れていた
忘れていたわけではないがたまたま忙しくて振込手続きをすることができなかった
という取引先も存在します。
フリーランスや個人事業主(もちろん法人の場合も)として仕事を進める場合に、避けては通れないのが、
請求金額をしっかりと回収するためのノウハウ
を身に着けることです。
稀に、取引先がいきなり倒産してしまう、などといった事態が起きたりもしますが、
そこまで極端な例の場合にはまた別の対応を考える必要があるとして、
(おそらく)たまたま振込の締め切り日を忘れていた
(おそらく)忘れていたわけではないがたまたま忙しくて振込手続きをすることができなかった
といった場合に、どのような対応を試みるべきなのか?ということは仕事をする上で予め考えておくべきです。
まず、このようなシチュエーションの際には、
振り込みの催促を行うのが通常になります。
要は、
「10月末に支払う約束なのに、振り込みが確認できないままに既に11月になっています。早く入金してください」
ということを先方に伝える必要があります。
これをこのまま先方に伝える方もいるかもしれませんが、
「露骨に催促するのは何だか角が立つような気がする」
とか
「あんまり催促しすぎると相手に嫌われてしまうかもしれない……」
といったことを気にしてしまい、なかなか催促できない人もいるようです。
しかし、あまりにも動けないままでいるとそのまま相手にスルーされてしまうかもしれませんし、
もっと進行すると、弁護士さんに内容証明郵便を送付してもらうことによって本格的に債権回収を行う必要がもでてくるので、
できるかぎり、早い段階で決着をつけるべきといえるでしょう。
そのための一つの方法として、
露骨に催促をせずに相手に入金をさりげなく促す
方法が存在します。
その方法とは、
決算時に会計事務所に頼んで残高確認書を取引先に送付してもらうこと
です。
残高確認書はあくまで決算時に売掛金が回収できていない場合に、「残高を確認する」目的で送られるものですので、「請求や督促」の意味合いは一切ないため、露骨な催促にはなりません。
しかし、
たまたま振込の締め切り日を忘れていた
忘れていたわけではないがたまたま忙しくて振込手続きをすることができなかった
といった場合にはこれだけであっさりと入金をしてもらえるようになることでしょう。
弁護士さんに内容証明郵便を送付してもらう前の段階で解決することも多いです。
とはいえ、
決算時に会計事務所に頼んで残高確認書を取引先に送付してもらう方法
は通常、決算の時期になされるものですので、それ以前の段階で送付すると違和感を持たれる可能性もありますし、作成そのものが面倒だと感じる人もいるでしょう。
その場合は、残高確認書という固い文書を送りつけるのではなく、
「当社の帳簿の整理のため、現時点における、売掛金の残高について確認させてください」
という趣旨の文書をメールなどで先方に送るだけで似たような効果が期待できます。
この方法は、手軽な割に、
「10月末に支払う約束なのに、振り込みが確認できないままに既に11月になっています。早く入金してください」
という趣旨の文書を送るよりも催促されている感が軽減されます。
フリーランスになりたての人や
もともと性格的に気弱な人は、
「露骨に催促するのは何だか角が立つような気がする」
とか
「あんまり催促しすぎると相手に嫌われてしまうかもしれない……」
などと考えてなかなか行動に移しにくいかもしれません。
しかし、「帰るまでが遠足」よろしく請求金額を実際に回収するまであなたの仕事は終わってはいません。
家に帰る前に怪我をしてしまうと遠足の思い出が台無しになってしまうように、
仕事をいくら一生懸命やっていても、請求金額を実際に回収できないと台無しになってしまいます。
そのため、
請求金額をしっかりと回収するためのノウハウ
は事前に意識し学んでおきましょう。
因みに、私の経験上、
「当社の帳簿の整理のため、現時点における、売掛金の残高について確認させてください」
と一報を送った場合、現時点で100%回収できています(そもそも、多くの場合は期限までに支払っていただけているので、単純に私のお客さんの客層がいいというのもあるかもしれませんが)。
あなたがもし、
「副業に挑戦してみたい」
などと考えて、
フリーランスや個人事業主(もちろん法人の場合も)として仕事をする場合には、
請求金額をしっかりと回収するためのノウハウ
を身に着けておくことは極めて大事なことになるでしょう。
その他、特に個人事業主やフリーランスの場合、取引先との取引につき官公庁がガイドラインなどを出しているため、このような資料を定期的にチェックすることも大事になります。
以上、
取引先から売掛金をなかなか入金してもらえないフリーランス・副業志望者のための豆知識
でした。