リスケ
という言葉があります。
これは一般的に、仕事上では、
あらかじめ定められた納期を延長する場合
などによく用いられますね。
そのほかの場合としては、
借入金の返済が予定通りにできそうにない場合に、一旦返済計画を見直す場合
などもリスケと言いますね。
リスケはリスケジュールの略として用いられているようです。
このリスケについてあなたはどんなイメージを持っているでしょうか?
おそらく多くの人は、
そもそもリスケをしなければいけない状況に陥っているのは良くない
と考えていることでしょう。
私もそう思います。
しかし、言うは易く行うは難しで、現実的に人生のどこかでリスケをせざるを得ない場面に直面したことがある人は多いでしょう。
よくあるのが、想定外にどんどんやることが増えていって、本来余裕のあるスケジュールを組んでいたのにもかかわらず全く立ち行かなくなってしまう場合などがあることでしょう。
返すことができない借入金がどんどん重なっていくと取り返しのつかない多重債務者になってしまうのと同様に、
上手く遂行することができない仕事がどんどん重なっていくと、取り返しのつかないレベルの仕事の多重債務者となってしまい、破綻してしまいます。
仕事がいつの間にか、たまり続けて、最後にはギブアップ。場合によっては音信不通になったりすることもあります。
ここまでくると、色んな人に迷惑をかけることになり、多重債務者が法的に破産手続きを行っているのと同じような状態になります。
とはいえ、法的に裁判所を通して破産手続きを行うことなく私的に債務整理を行っている例もあるように、
仕事の場合においても、少しずつ仕事の債務整理を行うことによって最悪の事態を避けることは可能です。
その典型的な方法が仕事のリスケといえるでしょう。
例えば、金曜日に納期のある仕事が手元にあったとして、それが金曜日までに終わりそうにないため、
「日曜日の夜まで納期を延長させていただけないでしょうか?」
とリスケの申し入れを行うのです。
借金を含め、これはあらゆる債務に言えることですが、理屈上は、弁済期を徒過さえしなければ一応破綻はしません。
したがって、弁済期自体を先送りをすることによって破綻を免れることができます。
そのための方法がリスケと言えるでしょう。
リスケを上手く行うことができれば、多重債務者への道を回避することができます。
そして、このようなリスケを早く行うことができればできるほど多重債務者への破綻の道をより回避しやすくなります。
何故ならば、金曜日に納期のある仕事に関して、金曜日を過ぎて土曜日になってしまった時点で、
「日曜日の夜まで納期を延長させていただけないでしょうか?」
と言うよりも、その週の火曜日の段階で、
「日曜日の夜まで納期を延長させていただけないでしょうか?」
と申し入れるのでは相手方の反応も変わるからです。
多くの場合、後者の方がリスケの成功確率も、相手の好感度の下がり方も良好な物になるでしょう。
このように一般論として、リスケをなるべく早い段階で行うことができるようになると破綻の可能性が下がりやすくなります。
そして、これを行うためには、
リスケ慣れ
している必要があると思われます。
リスケ慣れ
ができていないと、納期が過ぎるまでズルズルとしてしまい、納期を過ぎてしまった罪悪感から余計にリスケの申し入れをすることすらできない可能性があるからです。
そのため、普段からリスケの方法論について学んだ上でリスケ慣れをしておくことが重要になることでしょう。
まずリスケの際に重要なことは、
「では、いつまでだったら大丈夫なのか?」
を相手に明示することでしょう。
「ちょっと遅れます」
と言うよりも、
「10分程度遅れます」
とできる限り明確に言った方が良いでしょう。
できれば、なぜその期限ならば大丈夫なのか、と付け加えると相手の納得感を得られやすいでしょう。
「先の会議がまだ終わっていないので20分程度遅れる見込みです」
と言うのと、
「今は会議室に向かうエレベーターに乗っているので5分程度遅れる見込みです」
と言うのでは、相手方の受け取る印象や予測も変わることでしょう。
これに加えて、
「納期に間に合いそうにない理由」
や
「リスケする代わりのフォロー」
などが追加されるとリスケを受け入れてもらえる可能性が高まります。
とはいえ一番重要なのは、
「では、いつまでだったら大丈夫なのか?」
の部分でしょう。
「ちょっと遅れます」
と言う癖がついている人は、
「5分遅れます」
といった具合にできる限り具体的な表現を使用することを普段から意識することが良いでしょう。
具体的な時間を提示することは仕事の見積もりができていなければできないことでもあるので、このような表現を用いることを普段から意識すると、スケジューリングの段階でのミスも少なくなるため、そもそもリスケをしなくても済むようになってきます。
このように、
あらかじめリスケの方法論を学び、リスケ慣れしておくといざという時に役に立ちます。