多くの人は基本的に安定志向です。
何故ならば、
その方が生存確率が高いからですね。
下手に冒険をしてしまって、失敗してしまって再起不能になるよりは、
多少辛くとも、
多少つまらなくとも、
「安定を取りたい」
「リスクのある選択肢は避けておきたい」
そう考える人は多いです。
近年は、公務員などのように、
安定
と呼ばれるような職に就きたがっている人もいるようです。
このような人たちが民間に行きたくない最大の理由は、
「クビになりたくない」
とか
「リストラされたくない」
というものでしょう。
公務員であるならば、よほどのことをしない限りは、急にクビにはならないという安心感がその人気を支えているようです。
また、大手を始めとした民間企業への就職が人気であるのも、
勤め先が倒産する可能性が低かったり
急にリストラされる可能性が低い
という見通しの下で選ばれている場合もあります。
たとえ、そこでの仕事が非常につまらない物であっても、
あるいは、人間関係に不満があっても、
謎の社内慣行が気に入らなくとも、
「クビになりたくない」
という気持ちだけで、ついつい我慢を重ねてしまう人も多いようです。
また、
「クビになりたくない」
という気持ちがあるがゆえに、そのリスクがありそうな行動などは極力避けようとし、
クビにならないための努力
をひたすら頑張る人もいます。
しかし、これによって、色々なことに対するリスクを過度に恐れてしまい、自由な行動が制限されてしまう場合があります。
実際のところ、リスクと一言で言っても、
リスクの発生頻度
や
リスク発生時の影響度
にはかなり大きな差があります。
例えば、人によっては、
「クビになったら人生が終わる……」
といったレベルで深刻にとらえている人もいれば、
「クビになっても大したリスクはないのではないか?」
と考えている人もいます。
クビになるとか、リストラされるといった事実であっても、人によってその影響は異なるのですね。
そして、クビになっても大した影響がない人というのは、クビになってしまうリスクのある行動であっても選択をしやすくなります。
そのような人は、他の人が、クビにならないための努力をしている間に別のことに注力することが可能なのです。
これが弱いわけがありません。
クビにならない努力で消耗してしまうよりは、クビになってしまっても困らないための努力を積み上げていった方が後々楽になっていきます。
例えば、
「クビになっても他に収入源がある」
とか
「クビになってもすぐに再就職先が見つかる」
といった見通しがある人はクビになることによる影響がさほど大きくはないため、
クビになってしまうリスクがある行動であっても勇気をもって踏み出すことも可能です。
クビになってしまっても困らない状況を作り上げるのは一朝一夕ではできないかもしれません。
しかし、長い時間をかけてコツコツと頑張れば、段々達成に近づくことは可能でしょう。
そして、いつの日か、
「……あれ?昔はクビになってしまったらどうしよう?とか考えていたけれど、別にクビになってもさほど困らないのでは?」
というあなた自身の状況の変化に気づけるようになるでしょう。
あなたの工夫次第でかつてのリスクがリスクではなくなるのです。