「敷居が高い」という言葉があります。
この言葉は、本来は、
「相手に不義理をしたり、また、面目のないことがあったりするために、その人の家に行きにくくなる。また、その人に会いにくくなる状態をいう語。」
らしいですが、
最近は若い人を中心に、
「高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい」
という意味で、
「×高級すぎて僕らには敷居の高い店」
「×初心者には敷居の高いゴルフコース」
と誤用されている例が目立つとされています。
本来の意味で「敷居が高い」という表現を使用している人が減ってきているようですね。
言葉というのはどんどん意味が変遷していくものらしいですから、今誤用とされている用法がそのうちメジャーになってしまう可能性があります。
私自身、ついつい、
「高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい」
という意味で、
「敷居が高い」
という言葉を使用したくなってしまいますが、
この場合は、
「ハードルが高い」
などといった表現の方が適切のようです。
ところで、
「あの人は、成功者である」
といった表現を見かけたときに、
「どういう意味で成功した人なのだろうか?」
というのが個人的にものすごく気になることがあります。
私自身が小学生の頃は、テレビなども見ていたので、
「テレビに出ているなどして有名な人=成功した人」
という感覚が強かったです。
多くの人に知られていて、さらに、親近感もある人は素晴らしいと考えていたころもありました。
これは、商品などにも同じような感覚があって、例えば、スマホなどはかなり普及してきましたし、ほとんど生活必需品と化してきています。
スマホの普及については、そういう意味で、成功したと言えるのかもしれません。
しかし、個人として成功したいと考えた場合、
多くの人に知られていて、さらに、親近感もある人
になるメリットは意外と多くはないのではないか、と感じることもあります。
有名税という言葉が最近はありますが、
有名であればあるほど、人が運んでくるピンチも増えるため、リスクも増えるものです。
敢えて無名であることに徹して、自由を謳歌するというのも一つの成功の形かもしれません。
そのような人の場合、
人間関係としても、取引相手としても、
「高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい」
といった存在になるかもしれません。
そして、
「あの人は敷居(ハードル)が高い」
などと言われる可能性もあるかもしれません。
しかし、
「あの人は敷居(ハードル)が高い」
と言われることはそこまで悪いことではないのかもしれません。
人間関係も、取引相手も、量よりも質が大事になってくる場面もあるでしょうから、むしろ、
「あの人は敷居(ハードル)が高い」
と言われるような状態を目指すのがもっとも幸福度が高い、という可能性も高いかもしれません。
成功者というと、ついつい、
「有名になる」
というイメージが強くなってしまうものですが、
圧倒的な敷居(ハードル)の高さという一つの成功の形
を目指してみるのもよいかもしれません。