現代社会において、恋愛相手や結婚相手を探すためのツールであるマッチングアプリはとても一般的なものになってきました。しかし、「いいね!」の数が多いにもかかわらず、実際に会いたいと思えるような相手には出会えないという問題があります。これは特に女性が多く抱える悩みだとされます。
これは、いわゆる不動産の市場と似た状況であると考えられます。
マッチングアプリと不動産市場
マッチングアプリでの「いいね!」の数が多いことは、あなた自身を多くのユーザーにアピールできていることを意味します。しかし、その数が多いからといって、あなたが実際に会いたい相手がその全てであるとは限りません。
同様に、不動産市場でも、広告が出ている数が多いからといって、必ずしも良い物件が全てであるとは限りません。また、良い物件は自分の懐事情から見て非常に価格が高いと感じる一方で、自分に手の届く範囲ではまともな物件がないと感じる人も多いでしょう。
不動産において、購入したい良い物件を見つけたと思ったら「想像していたよりもはるかに価格が高かった!買えない!」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか?
不動産の場合は、価格によってそのハードルが可視化されているのでまだわかりやすいのですが、恋愛や結婚の場合にはそのようなハードルが可視化されていないので、判断が難しいという性質があります。
人々は、自分に合った恋愛相手・結婚相手や物件を見つけるために、慎重に選ぶ必要があります。
人間関係と不動産の類似性
マッチングアプリでの出会いは、人間関係の形成の一つの方法です。人々は、自分に合った相手を見つけるために、多くの可能性を探ります。
同様に、不動産市場でも、人々は自分に合った物件を見つけるために、多くの選択肢を探ります。
しかし、最終的には、人間関係も不動産も、自分に合ったものを選ぶことが大切ですし、自分に合ったものを選ぶべきでしょう。
むしろ、自分と釣り合わないものであるにもかかわらず、無理をして手に入れたものは、早晩綻びが生じ、破綻するでしょう。
こうして、例えば、「性格の不一致」などによりすぐに離婚をせざるを得なくなったり、住宅ローンが返済できずにマイホームを手放すことになるのです。
世間が求めるような「一人前」になるために無理をしすぎると、未来の自分自身を苦しめることになります。
「千三つ」とは何か?
ところで、不動産の世界には「千三つ」という言葉があります。「千三つ」という言葉には、マーケティングや不動産、商品開発など様々な分野で用いられる意味があります。この言葉は、
「1000件のうち3件の確率」、つまり反応率が0.3%程度
という意味の慣用句です。商品開発や広告の分野でも、同様に用いられることがあります。
不動産の成約率が1000件に3件程度だったことから、土地売買の職業のことをかつて「千三つ屋」と呼ぶことがありました。そこから、「千三つ」という言葉は商品開発の難しさやインターネットのバナー広告のクリック率なども概ねその確率であることから、用いられるようになりました。
「千三つ」という言葉には、もう一つの意味が存在します。それは、「千回のうち3回ぐらいしか本当のことを言わない嘘つき」という意味です。この意味の「千三つ」は江戸時代から用いられており、落語などでも登場する言葉です。しかし、現代では、「1000件のうち3件の確率」、つまり反応率が0.3%程度という意味としてマーケティングやビジネスの分野で用いられることが多くなっています。
マッチングアプリにおいても似たような状態であると考えられます。
それゆえに、
マッチングアプリで1000の「いいね!」がついても実際に会いたい人は3人もいない
と感じるような状態になってしまうのです。
まとめ
マッチングアプリでの「いいね!」の数が多くても、実際に会いたい相手は限られています。同様に、不動産市場でも、広告が多くても必ずしもあなたにとって良い物件があるとは限りません。人々は、自分に合った相手や物件を見つけるために、自分の価値観を内省し、その価値観に基づいた判断基準を策定した上で、慎重に選ぶ必要があります。
その上で、自分に足りないものなどを補うことができれば、いい出会いが待っているのかもしれません。