人間は段々と年老いていくものです。
「なるべく健康を維持しよう!」
という意識を持って、肉体の老化に対する危機管理をすることが大切であることが広く知れ渡っていますが、感情の老化については普段はあまり語られません。
一般に20代から前頭葉の機能が低下し、感情のコントロールが難しくなる傾向にあります。
前頭葉の機能低下と感情のコントロール
前頭葉は、感情の調節や行動の抑制、意思決定などに関わる脳の部位です。
しかし、20代を過ぎると前頭葉の機能が低下し、感情のコントロールが難しくなることが知られています。
これにより、
「自分の思い通りにならないと怒る」
「自己顕示欲や承認欲求の暴走」
なども感情の老化で起きやすくなるため、注意が必要です。
ちょっとでも嫌なことがあると
「ブチっ」
と何かが切れる音がしたり、
衝動的に他人の承認を得るための行動に出る人もいます。
心当たりのある方もいるのではないでしょうか?
感情の老化と社会的問題
感情の老化は、社会的な問題にもつながります。
例えば、高齢者の運転事故は、感情のコントロールが難しくなることが原因のひとつとされています。
また、仕事や人間関係でも、感情のコントロールができなくなるとトラブルの原因となることがあります。
感情の老化については、不可避な部分もあるため、個人だけでなく社会全体の問題として捉える必要があるでしょう。
注意が必要な感情の老化
感情の老化には、個人差があります。しかし、前頭葉の機能低下によって「涙もろくなる」だけでなく、「自分勝手な行動」や「批判的な態度」なども起こりやすくなります。このような行動が身についてしまうと、周りの人に迷惑をかけたり、自分自身にも問題を抱えることになるかもしれません。以下に、特に注意が必要な感情の老化の具体例を2つ紹介します。
具体例1:怒りっぽくなる
感情の老化によって、自分の思い通りにならないと怒りっぽくなることがあります。例えば、店員の対応がちょっと悪いだけで、激しく怒ってしまうようになる場合があります。
よく聞く例としては、老人がレジの人に対して切れ始めたりしてしまうことなどが挙げられますね。
このような場合は、自分の感情を抑える方法を学ぶことが大切です。
具体例2:思い込みが激しくなりやすくなる
感情の老化によって、思い込みが激しくなりやすくなることがあります。
例えば、友人から返信が来ないと、すぐに「嫌われたのではないか」と思い込んでしまう場合があります。
早く返事が欲しいのに全然来ないためイライラしてしまい、「どうしてすぐに返してくれないのか?」と考えてしまうのですね。
このような場合は、冷静に状況を判断するための方法を学ぶことが大切です。
近年の注意点としては、AIのように24時間すぐに応答を返してくれる状態になれてしまうと生身の人間がすぐに応答を返してくれないことにイライラしてしまうことになりやすくなるため、特に注意が必要でしょう。
まとめ
肉体の老化に加えて、感情の老化にも注意を払う必要があります。
20代を過ぎると前頭葉の機能が低下し、感情のコントロールが難しくなることが知られています。
このような傾向がどうしても生じてしまうことを前提に対処法を考えておきましょう。
メンタルを安定させるためにはリフレーミングの技術を高めることも重要になります。