難関試験などの合格体験記などに多いのですが、
「一日20時間勉強しました」
といった形で、非常に長い時間を勉強に充てたことに言及する人が時折います。
そのほとんどは学生です。
特に就職活動の場面においては、
それだけたくさん勉強したことによる勤勉さ
をアピールする学生もいます。
要するに、
「これだけ長時間にわたって、勉強することができるため、私は勤勉な性格であり、よって、就職後においても一生懸命仕事をすることができる」
というアピールに使用しているのですね。
特に、1日20時間などといった長時間の勉強時間を勤勉さの根拠に挙げられた場合、
斜に構えてしまう人は、
「そもそも、それって本当に20時間も勉強しているの?しっかりと計測しているの?気のせいでは?」
とか
「実は、勉強机に座っている時間を数えているだけで実質的には集中できていないでしょ」
とか
「睡眠時間に4時間しか充てなくてもなんとかなるのは単に若いからでしょ」
とか
「試験前にテンションが上がっていたからそのぐらい勉強できたのかもしれないが、実際のところ、持続性があるのかは疑問がある」
などと様々な角度から突っ込みを入れたくなることでしょうが、
多くの人は、素直に、
「1日20時間も勉強しているなんてなんて勤勉な人なのだろう。なかなか真似できない」
と感じるのではないでしょうか??
何故そう感じるのでしょうか?
あなたがそこまで勤勉な性格ではないから、あなたが怠惰な性格だからでしょうか?
それは違うかもしれません。
というのも、
特に社会人になるとこれは感じることですが、
「そもそも、一日の中で自由な時間、可処分時間なるものがほとんどない」
という現実にぶち当たる人がほとんどです。
なぜそうなるのかと言えば、ほとんどの人は勤め人なり、自営業者なりの形で、働いている、すなわち、
労働時間に一日のうち相当な時間を充てざるを得ない
という状況に追い込まれているからです。
例えば、難関試験をつける社会人の場合、頑張っても一日4時間ぐらいしかそもそも勉強しようがない、という人が多いです。
なぜそうなってしまうのかと言えば、ほとんどの場合、
お金がないから
という結論に辿り着くことでしょう。
実際に、勉強に長時間をつぎ込める人を観察すると、
学生
とか
配偶者に支えてもらっている無職
といった属性の人が多く、生活に困らないレベルの金銭的な援助を受けることができる立場の人が多いです。
このような人達は可処分時間を大幅に増やすことができるため、そこに勤勉な性格が合わさることによって、
「私は一日20時間も勉強している勤勉な性格です!」
というアピールが可能になる人が誕生するわけです。
これは、単に本人が勤勉な性格であるというだけでは説明がつかないわけです。
勤勉な性格を最大限生かすための環境構築が完了しているのですね。
環境が既に構築されているというのは非常に強いです。
すなわち、あなたが
「やった方がいいのはわかってはいるけれど、上手く自己投資できない……なんか毎日疲れているだけだし……」
と悩み、
「私は勤勉な性格ではない、怠惰な性格なのではないか?」
と自分自身の性質に疑問に感じてしまうことがあるかもしれませんが、
そもそもの絶対的な可処分時間が少なすぎるという問題にまずは気づき、改善策を少しずつでもいいので打っていく必要があることにまずは気付く必要があります。
とはいえ、
「そりゃあ、時間は欲しいけれど、今すぐに勤め先を退職できる状況にはない……」
と感じる人がほとんどでしょう。
実際のところ、配当金など不労所得(資産所得)で生活が回っている人以外はこのような問題にぶち当たっていることでしょう。
しかし、上記の記事でも言及した通り、
時間単価の非常に高い仕事をしている人
は年間の年収が低くとも非常に多くの時間を手に入れることが可能になります。
誰かに金銭的に援助してもらえるような恵まれた立場になることはおよそ期待できないとか、いきなり、退職したり、無職になって何かを行うことは精神的にも実質的にも無理、と感じる人は、
時間単価を改善できないか?
と考えて、業務改善、自己投資、転職活動などを試みることが良いでしょう。
時間単価の良い仕事はスキル面の難易度が高いことが多いですが、挑戦してみるだけの価値はあるでしょう。
このように、
1日20時間勉強する人の強みはその勤勉な性格だけにはなく、勤勉な性格を活かすための環境構築が完了しているため、
自分自身の環境をより適切にするためにはどうすればいいのか?何をすればよいのか?
と考えていくことが実は重要です。