勤め先の仕事など、仕事をしていると、急な対応に直面したりして大慌てで対応しなくてはいけないという厳しい状況にいちいち直面しがちです。
このような第1領域の仕事というのは〆切が無駄に早かったりとかするのでプレッシャーがすごかったりします。
しかし、このような「一見すると急に湧いて出てきた仕事」であっても、よく考えたらこの問題が生じることと言うのは事前に予測できたのではないか、と感じることがあります。
例えば、年末の大掃除なども、普段から綺麗に保っておくことや、そもそも汚くならないための措置というのをとるだけで、ほとんどやることがなくなります。
毎年年末の大掃除をやらなくてはいけない状況に陥っている人は実際には多いのではないか、と私は勝手に思っていますが、しかし、普段のちょっとした心がけや工夫をするだけでそもそも年末において大掃除をしなくてはいけないという第1領域のような仕事というのはそもそも発生しないようにすることができるのです。
私の話をしてしまうと、私の場合も片付け習慣や断捨離を強く意識して生活しているため、そもそも部屋がほとんど汚くなりません(汚くなるような要素が日常生活において排除されてしまっているのです)。
しかし、こんなことはネットでググってみて、お片付け体験談などをしらみつぶしに調べたりするようなよっぽど暇な人で無い限り、自分で実際に片付け習慣を身につけてみないと実感を持ってわかるようにはならないということでもあります。
逆に言えば、読書などの習慣がある人は他人のこのような体験談を情報収集することができるため、特定のジャンルにおいて事前にやるべき措置がわかるようになるため、この点有利です。
では、これ以外の、自主的に、特定の習慣や心がけを身につける前に本来解決するべき問題を予め自分の力で予測するためにはどうすればいいのでしょうか?
転移学習をするという方法があります。
例えば、読書などで他人のあるジャンルの体験談などを読んでみて、その意味合い、法則を一旦抽象化した上で、その法則を目の前の問題においても同様の解決方法ができないかどうか考えるという形で具体の世界に再び降りてくるという方法です。
Aというジャンルで何かの根本的な解決をした場合という具体的な事案を元に、その成功法則を抽象化し、目の前の別ジャンルのBにおいても同じような成功法則があてはまらないか、と考えることですね。
これは自分の中で成功体験をある程度もともとストックしている人は他人に頼る必要がありませんが、今までの人生の中で特段の成功体験を納めたことがないという人は、他人の成功体験を参考にするという形を取ることしか方法がないため、例えば成功者の体験談を聞くだとかそのようなところから始めるしかありません。
手段は色々ありますが、読書をすることによって、目の前に対して成功体験を納めたことのない人しかいないという環境の人であっても、世界中の人の成功体験を学ぶことが可能になるので、この意味でも読書習慣をもともと持っているか否かというのは決定的に重要な事であると言えそうです。最近だと動画配信などの形で情報が流れているため、読書習慣だけを持ち上げるのもどうかと思う部分もありますが、私としては、未だに体系的な知識を取り入れるためには本として纏められたものが良いと思っています。
転移学習するにしろ、しないにしろ、読書習慣を保っておくことがとても重要であると言えそうです。
さらに、応用すると、Aにおける成功法則がBにおいて転移学習することによってAの成功法則のようなものが通用することが分かった時点で、そこで満足するのではなく、「実は、まだ見ぬジャンルCにおいてもこの成功法則は役に立つのではないか?」と考えていくことが重要です。
例えば、数学という教科において、その成績を伸ばすための一定の努力が成功した場合それを次に国語においても似たような成功法則が通用しないか考え、そのまま、理科、社会、英語・・・・・と自分の知っているジャンルにおいて応用できないかまずは考えてみることです。
その上で、一通り試してみたら、「この成功法則は、今存在する科目だけではなく、自分が知らない科目においても通用するのではないか」と一旦考えてみるのです。
例えば、私が大学受験をした際には、プログラミングなどは試験科目に入っていませんでしたが、今後は入る可能性があります。
「自分が今まで取り組んできた学習方法は、プログラミングという未知の科目においても通用するのではないか?」
と考えることが可能になるわけです。
このように、一つのジャンルにおいて、まずは成功した後にそれを他のジャンルにおいても応用する転移学習を繰り返すことによって、上記の問題である、「そもそもこの問題を発生しないようにするためにはどうすればいいのか?」という第2領域の活動の具体的なタスク内容(how to)についても思いつきやすくなります。
ここまで来ると、そもそもそのジャンルに関するハウツー本が要らなくなります。
誰かに教えてもらうまでもなく、「やったことなんてないけど、もともと(自分の頭で考えられるから)知ってた」という状況を創ることが可能になるためです。
まるで、エスパーのようですが、このような事が可能になります。
そして、このような第2領域の活動をジャンルを問わずに、次から次へと提示し、実行し続けることができる人は、すごく生きやすくなるのではないか、と私は考えております。