考えれば考えるほど、人生というのは日々の微差が大差に繋がる物だと考えざるを得ない、と思っています。
積立投資などもそうですが、積立という非常に地味でつまらない作業を成果が出なくても長期間かけて行う事で報われる、ということがありますが、わかりやすい成果が出てくるまでが非常に遅いので、めんどくさいと思ってしまって途中でやめてしまうというパターンは多いようです。刺激が足りなさすぎて個別株に移る人もいるようです。
しかし、それでも、毎日愚直に努力や行動を重ねていくことによって複利によってあるときから絶大な差が生じていることが実感できる、ということが実際に世の中にあるようです。
卑近なところで行くと、学歴などもそうでしょうか。実際は勉強時間等に恵まれていないといけないという最大の障害があるところではありますが、日々の勉強が学歴という成果として現れるためにはどうしても時間がかかるのであり、そういう意味では学歴というのは長年の努力の結晶のようなところがあるのでしょう。しかも、学歴を付けるまでの間に日々の勉強の習慣は当然付けないといけない訳で、その習慣がついていることの証明が学歴によっていとも簡単にできるわけで、この意味でシグナリング機能、スクリーニングとして新卒採用において用いられているのも便利であるが故によく分かります。
そして、コミュニケーションにおいても似たような事は言えます。
周りを見ていると、何かがあったら御礼をその場で言える人と、言えない人などいたりしますが、見ていると非常に目につきます。
もちろん、御礼をしっかりと言える人の方が印象が良いわけですが、御礼を言い慣れていない人というのは御礼の話に限らずいざというときにも自分の気持ちなどを伝えることが苦手な人が多いという印象です。一事が万事と言うことです。
良いフィードバックを他人に与えるということは他人に報酬を与えることと同義なので、何かがあったら感想と一緒に人に対して御礼を言う習慣を持っている人というのは、他人に無料の報酬を与えることができる人ということを意味します。
このような人の方がどう考えても人間関係面で恵まれることはまず間違いないでしょう。
本人自体にさしたる魅力が無くとも、このように他人に報酬を与えられる人というのは重宝されるわけで、その一段階目としてちょっとした一言でも良いから他人に声がけをするというのは非常に重要であると感じます。
挨拶などの軽いレベルもそうですが、お土産などをもらったときに感想をいいながら御礼を言えるのかどうか、という点なども地味に重要です。
要は、微差は大差に繋がるわけですから、一般的に「やった方が良い」と言われていることはさっさと習慣づけることが重要だと思います。
これはいわゆる習慣化の習慣化を行いましょうという話ですが、何が良習慣として自分が身につけるべき物であるのかを見極めることと、しかも同時に、実際にそれを習慣化するスキルが必要であるという意味で結構難易度が高いという印象です。
私がやっているのは、「習慣」でググって良い習慣として一般的に言われるものをチェックしてそれを実行してみて、自分に合っているものと合っていないと思われる物を峻別することですね。
これをやっていくと、だんだん「他には良習慣ってないのかな?」という視点で物事を考えるようになるので、この視点を持って日常生活を送っていくと、「これって良習慣として身につけることができればよい結果がでてくるかもしれないな」と考えられるようになったりします。
このように、そもそも何を良習慣として身につけるべきなのか、ということを自分の頭で考えられるようになると言うことは、自分の人生に対して主体的に、当事者意識を持って見つめている状態になっていると言えるので、自分らしい人生を送りやすくなると思います。
同時に、自分の頭でそもそも何が自分にとって良習慣として身につけるべきなのか、ということを普段から真剣に考えている人はさほど多くはないと思われますので、その意味でも一般的な「正解」を追究して単にレールに乗っている人よりもその人らしい個性が出やすく、差別化しやすいとも言えます。
とはいえ、そこまで難しく考える必要も無く、まずは日常的な、「こういうことをやってみるともしかしたら面白いかも?」という視点から考え始めるのが良いのかなと思います。このような自分なりの試行錯誤が自分らしい人生を歩むための第一歩だと考えています。