黒字
とか
赤字
という言葉があります。
これは昔からの慣習によって、
赤字で数字を書いたときには損をした場合、
黒字で数字を書いた時には利益が出た場合として
その色彩によって一見して儲かったか儲からなかったのか分かりやすくするために使用していたようです。
そして、この慣習は現代社会のあらゆる色彩効果としても用いられているようです。
具体的には、証券口座を持っている人は開いてみると、含み損がある場合は赤い文字で数字が記載され、逆に含み益が生じている場合には黒い文字や青い文字で数字が記載されていることが確認できることが多いようです。
すべての証券口座の文字をチェックしているわけではないので、この限りではない場合もあるとは思いますが、
しかし、直観的に理解しやすいという実情を考えると、ほとんどの証券口座はこのような作り込みになっていると思われます。
これにより、画面をよく見なくても、含み益が出ているのか、あるいは含み損が出ているのかすぐにわかるようになっています。
親切ですね。
しかし、このわかりやすさを追求した親切さは時に私たちを動揺させます。
具体的には、株価などが大暴落したときに証券口座の画面が真っ赤になり、
「ヤバい、どうしよう、もう売ってしまった方がいいのかな???」
みたいに私たちを動揺させる効果を守っているのです。
ここで動揺してしまうと、ネガティブな気持ちになってしまったり、それ以上に行きすぎると後々上がる可能性がある株式なども売りたくなってしまって、バイアンドホールド、すなわち長期投資を目指している人は失敗しやすくなります。
そこでオススメなのが、
スマホなどのパソコン画面を白黒にしてしまうこと
です。
要は、彩度0、グレースケールの設定にしてしまうのです。
これを一度試してみると面白いことがわかります。
例えば、マネーフォワードなどでは、含み益が出ている時には青い文字、含み損が出ている時には赤い文字で表示がされるのですが、
スマホ画面の白黒設定をしてしまうことで、青なのか赤なのかわからなくなります。
したがって、よく見ないと含み益が出ているのか含み損が出ているのかわからなくなってしまうのです。
この「よく見る」という作業にはかなりの労力を使用することになるので、面倒な人はこれを「よく見る」という作業は行わないですし、
面倒ではない人は「よく見る」とことによって、「あ、今結構損してる?」というところまで認識するまで時間と労力がかかり、
「含み損出ているけれどもまあいいか…」
となりやすく、動揺して含み損が出ている銘柄を敢えて売るという作業をする気持ちにまでなれなくなります。
このように色彩の効果によって私たちが動揺してしまうというメカニズムをスマホ画面の白黒設定をするだけでかなり軽減することができるようです。
この、スマホ画面の白黒設定をするだけで色彩による刺激が大幅に減るので、刺激的なスマホに依存しまくっている人は是非試してみていただきたいと考えています。
何か世界が変わったような感覚になると思います。
具体的な設定の仕方は、iPhoneの場合は
①設定→②アクセシビリティ→③画面表示とテキストサイズ→④カラーフィルター→⑤グレイスケール
で設定できます。
これを設定するといかに普段の私たちが鮮やかな色彩による刺激の影響を受けまくっているのかがよくわかると思います。
オススメです。