もし、今のままの状況に対して何かモヤモヤしたり不満を感じたりして、一気に一念発起したいだとか、
人生を変えたいと思った時、
そのような人が基本的にやるべき事としては、
資源配分を戦略的に変えること
具体的には、
お金をかける先を変えることや、
時間をかける先を変えること
となります。
すなわち、今まで娯楽に使用していたり、飲み会に使用していたお金は別の所に向けなければ行けません。
お金の場合は純粋に節約し貯蓄するという行為の他に、貯蓄済みのお金を投資すべき所に投資するという活動が必要になります。
したがって、娯楽に使用していたはずのお金は犠牲となって、その分本当に必要となる部分に投資することになります。
時間についても同様です。
時間はお金のようにその価値が保存できないため、今まで娯楽に使用していた時間や、飲み会などに使用していた時間をダイレクトに削った上で必要になる部分に投資することになります。
お金はその価値を貨幣という形で保存することが可能なので、節約(貯蓄)→投資という形で一定のタイムラグを生じさせることができる点がポイントです。
すなわち、お金の場合は、今何か強い目的が無くとも将来的に何か犠牲を払う必要が出てきてしまうときに備えた行動を取ることが可能です。
時間の場合は、時間をそのまま貯蓄するという便利なシステムが未だに開発されていないため、ダイレクトにその使い道を変えるか、
あるいは時間を一旦労働などによってお金に換えてその価値を一旦手元で保存するという活動を間に差し挟むことになります。
このような資源配分を適切に行う事で目標に対して一念発起して、結果に向かって適切な努力をすることが可能になります。
このように説明していくと、
すなわち、お金や時間という資源を有効活用することが重要であるということがよく分かると思います。
そして、そのような何らかの犠牲を払うことが目標達成の近道となると言うことも。
ところで、このように資源を目標に向かって最適配分しようとしたときに、それを容易に行える人となかなか踏ん切りがつかない人が居ます。
両者の違いは一体何だろう?
そう考えていくと、
表面的に見て、目的達成のために犠牲を払っているのはお金や時間という資源になるのですが、
しかし、その実、変わりたいと願う人が、一番払わなくてはいけない、強く覚悟しなくてはいけない犠牲というのは、
人間関係
ではないか、と思うのです。
すなわち、例えば、友達と毎週のように飲み会に行く習慣がついている人というのは、飲み会に行く習慣をやめるためには、友達に対して、
「ごめん、飲み会はしばらく行かないから」
と言わなくてはいけません。
人によっては、わざわざそんなことを言わずに(言う気力が湧かずに)突然音信不通になってしまう人もいるかもしれません。
このように、お金や時間の資源配分を変える際に人間関係にまつわる犠牲を伴う場合、その犠牲、対人関係のリスクを乗り越えることができるだけの覚悟ができている人の方が結果が出るのが早いと感じます。
上の例では友達との人間関係を例に挙げていますが、
場合によっては、
職場の同僚
や、
クラスメイト
や、
家族
との関係を一定程度犠牲にする可能性、そんな対人関係のリスクを飲む必要性に迫られる可能性があります。
この点、
孤独に対する耐性
がもともとついている人はかなり強いです。
そのような人は何かを目指す度に既存の人間関係が破壊されるリスクをものともせずに目標達成に向かって邁進します。
「だって、それが一番早いから」
「やむを得ない犠牲」
とこの手の人は言いがちなところがあります。
もちろん、これは文字通り人間関係が破壊されたまま全く修復されないリスクを伴う物なので、結果的に大きな痛手を食らう危険性を持っています。
このような特性を持っている人はむしろ、積極的に人間関係を破壊してしまう癖を持っているので、リスク管理の観点からバランスに気をつける必要があります。
具体的には、お金と同様に、事前にいわゆる信頼残高を貯めておいて、信頼破壊のリスクを一定程度とれるようにしておくことが重要です。
具体的にやるべき事は何も物理的なプレゼントに限りません。
無形の貢献でも良いのです。
信頼残高を事前に貯めておくだけで、何か突発的に変なことをしても、
「きっと、あの人には何か事情があるのだろう」
と勝手に納得してもらえるようになります。
このように、人間関係が修復不可能なまでに破壊されてしまうリスクは一定程度事前に対策することが可能なのです。
このような性質を鑑みると、まさに信頼残高、信頼貯金という言葉が似合います。
したがって、普段の貯蓄と同じ要領で、信頼残高を高めておくための行動習慣を身につけておくことがかなり重要と言えるでしょう。
では、このように孤独耐性が強すぎて人間関係を破壊してしまう癖を持っている人とは逆に人間関係への犠牲の覚悟がなかなかつかない人はどうすればよいのでしょう?
ここはやはりバランスが重要になるでしょう。
すなわち、対人関係のリスクを適切に取る訓練、練習を少しずつ行う事になります。
具体的には、自己主張を他人に対して適切にするためのアサーティブコミュニケーションを練習してみることがオススメです。
アサーティブ・コミュニケーションとは
アサーティブ(assertive)とは、「自己主張すること」という意味です。ただし、ここでいう自己主張とは、自分の主張を一方的に述べることではなく、相手を尊重しながら適切な方法で自己表現を行うことを指します。つまりアサーティブ・コミュニケーションとは、お互いを尊重しながら意見を交わすコミュニケーションのことです。
アサーティブの代わりにアサーション(assertion)という言葉が用いられることがありますが、こちらも同様の意味です。
https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000202/
この辺りの訓練によって、人間関係のリスクを適切に取る方法を学んでいくと、
比較的少ないリスクで(場合によっては他人に応援をしてもらいつつ)、一気に人生を飛躍させることが可能になる
という良いところ取りができるようになるのではないか、と私は考えています。