『LIFE SHIFT』を始めとした近年の未来予測関係の本を読んでいると度々出てくるのは、
これまでの学ぶ期間が20代ぐらいまであって、それから40年近く働く期間が出てきて、その後老後の期間を迎えるという単線型の人生プランは時代遅れとなり、
一生のうちに、何度も学んで、何度も違う職業に就くという形で、学ぶ期間と働く期間が交互に来たり、あるいはこれらをMIXさせる形で人生を歩んでいくという形にならざるを得ないという予想です。
さて、ここで問題になるのは、結局学ぶ期間について、親からの扶養から外れた以降の期間においてどう時間を確保するのか、という問題でしょう。
『LIFE SHIFT』においては学生の後に旅に出て自分探しをする20代の若者のエピソードなどが紹介されていますが、アレを読んで「これが何のしがらみもなくできたら誰も苦労なんてしないでしょ」と突っ込まざるを得ません。
企業によっては、従業員に対して積極的に学び直しのための機会を与えて給料を与えるということもやっているわけですが、これは当然目先の利益を犠牲にしてでも人材を育てるという意識と余裕がなければできないという話になりそうです。
このような意識と余裕を確保できるのは一般的に長期的な視点を持つことができる余力のある企業などになると思います。
近年はとにかくコストカットをせよという圧力がやたらと強いせいか、短期的視点になりがちで、人材を育てるための投資までできないという企業も多いと思われます。
勤め人の視点からすると、このような余力のある企業に勤めなければ、学び直し、リカレント教育の機会を得るのが難しくなる、ということでもあると思います。
そして、このような企業は一般的に競争率が高くなることが予想されますので、いわゆる学生時代に自己投資を重ねて新卒キップを使ってそのような企業に滑り込んでしまうというのが凡人が取るべき、目指すべきオーソドックスな手段ということになりそうです。
となると、当然学生時代の間までに自己投資のための金や時間が必要になるわけで、そのような周辺環境を整えてくれる家庭に生まれるのが有利という話にならざるを得ないのがつらいところです。
もっとも、私のように一度勤めてしまった人であっても、学び直しのための期間を確保する方法というのは全然ないわけではありません。
具体的には、制度が許せば長めの有給休暇を使用して自分の時間を確保したり、休職の制度があればそれを使用したり、ということは可能です。
いや、そんな制度うちには事実上ないんだけど?という状況の人にとっては、転職する際に期間を数ヶ月など空けてもらうという方法によって時間を創るという方法もあります。
他にはテレワークが認められている勤め先であればその状況を利用し通勤時間をカットするという方法は地味ながらインパクトがあります。
とはいえ、いや、うちはテレワークできないんですけど?という職場もあると思います。また、事実上テレワークができないポジションにいる人もいるでしょう。前者は厳しい状況にあるかもしれませんが、後者の場合は後続で入ってきた部下などにお願いすることや、同僚との交渉によってテレワークがしやすいポジションを何とか確保するという方法も考えられます。
他には、勤め先にいる以上は自分のための時間がどうしてもつくれないんだ、という人の場合、思い切って起業したり、独立してしまうというのもアリだと思います。そうすることによって自分のための時間は確保される道は一応作ることができます。
もっとも、現実的な話をすると、独立して上手くいくかどうかというのは実際よく分からないので、比較的自分のための時間を確保しやすいワークライフバランスの整った職場にまずは転職してしまってから複業という形で頑張った上で軌道に乗ったら独立してしまうという方法をとった方が安全かもしれません。
他にも根本的に生きていくためにお金を必要としてしまうことから勤め人として拘束されてしまうのを避けるために、高所得の職業にまずはついてしまって、一気に資産形成を行い経済的自由を達成した上でFIREしてしまうというのが自分のためのまとまった時間を創るためにも有用かもしれません。金融資産のみでの経済的自由の達成もあり得ますし、不動産投資を組み合わせた形での経済的自由の達成もあり得ると思います。
いずれにしろ、学び直しの観点を持つのであれば「自分のためのまとまった時間」をなんとか創出するために以上に挙げたような考えられる手段を最大限に、使えるものはすべて駆使してしまうという強い意志が重要になると考えています。
以上の内容を一気にすべて実行してしまう事ができる人もいるかもしれませんが、少しずつ時間軸をずらすことを意識しながらやるというのが凡人にとって現実的でかつ安全な方法かもしれません。
私が考えている内容としては、
①学生時代に新卒キップでできる限りいいところにいけるように高学歴を取得したり、難関資格に合格しておく。または後々にも活用できるような副業の経験もしておく。
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②できるだけ若い内に高所得を実現するためにそのような勤め先に就職して仕事に慣れるために頑張りつつ資産形成を進める。資産形成が進めば経済的自由の達成が早まり、かつ自己資金も貯まりやすく勤続年数を稼げば高属性として不動産投資にも参入しやすくなる。この期間にある程度経済的自由の達成の程度を高めておいて余裕を創っておく。
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③勤め先においてテレワークが可能なポジションについて、通勤時間をできるだけカットできるようにしておく。場合によっては同僚と交渉したり、異動をできるようにしておく。
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④ここまでで自分のためのまとまった時間を確保できそうであればその勤め先にそのまま残っておく。激務過ぎて時間が足りないと感じたら、もっと年収を下げても良いのでテレワーク可能でかつワークライフバランスの整った職場に転職しておく
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⑤転職のタイミングで時間を創ることで、自分のためのまとまった時間を確保しつつ、学び直しや新しい副業を行い始める。転職後においてはしばらく勤め先に慣れるためにも一応仕事に集中しておく。
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⑥勤め先において、時間を確保できそうであればできる限りそのままそこに居続ける。それとともに複業や学び直しをさらに進めておく。難しそうな状況になったら再び転職を検討する。
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⑦40才頃のタイミングで早期退職の勧奨などがなされて早めにまとまった退職金が手に入りそうであればそのまま受け取ってFIREし、もともと育てていた複業などを駆使して稼ぎつつさらに学び直しをすすめる。
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⑧これまでの勤め人としての経験、副業の経験、学び直しの経験を含めて自分の経歴を棚卸しをしつつ更に新たな仕事を行いつつ、さらに学ぶ。
以上が私が考えている内容ですが、比較的リスクは低い方針ではないかと考えています。
上の内容を実現するためには、①勉強し続けるための意思やスキルを高め続ける、②そもそも健康を確保しておく、③有価証券、不動産などの資産運用の知識を常にアップデートする、④転職情報や複業の情報、事業に関連する制度関係の情報を常にリサーチしアップデートしておく、⑤他人と交渉するためのコミュニケーション能力を常に高め、人脈も確保することを意識し続けておく、⑥自分が変わり続ける事に対する抵抗感をなくし、変化に対するストレス耐性を高めておくことなどを意識しておくことが重要ではないか、と考えています。
こうやって挙げていくと難易度が高い予感しかしませんが、とはいえ人生は長いのですから少しずつ、微差に過ぎなくても一歩ずつ改善し進めていくことができるようになることが重要だと考えています。