破産手続きというと物騒なイメージを持っている人が多いと思います。
通常、破産手続きは多重債務に陥ってしまって、お金の返済ができない場合を想定しているようですね。
お金周りにおいてにっちもさっちもいかない、首が回らなくなってしまった、そんな残念な状況に陥ってしまった人が取るしかない手段、それが破産だ、というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
したがって、お金以外の視点でも破産しなければいけないような似たような状況に陥ってしまうことがあるということを考えたことが無い人もいるのではないか、と思います。
具体的に言うと、時間貧乏になってしまう、ということがあり得ます。
それは、仕事がすごく忙しくなってしまっただとか、家庭のことで忙しくなってしまっただとか色んな事情があると思われますが、
特に勤め人の場合は、仕事をするために労働時間を費やす必要があることから、仕事のために時間を取られてしまい過ぎて、他のことに全く時間を使うことができないという時間貧乏の状況に陥る可能性があります。
仕事の場合は、単に労働時間だけが奪われるわけではなく、金銭や、実績などの報酬も与えられることから、特定の仕事に時間を取られすぎてしまっている人であっても、
「(報酬は得られているし、今のところ上手くはいっているから)まあ、いいか」
となりがちです。
しかし、あるとき、ふと、
「今やっていることは大分楽にできているけれど、他のことにも時間を使いたいな」
そう思ってしまうときもあるでしょう。
しかし、そう思っていた頃に、特定の仕事Aでの実績が上がりすぎていて逆にこの仕事Aを手放すことがしにくい、それがなんだか怖い、という心理状態に陥ってしまう人もいるようです。
「他の家にも住んでみたいな」そう思いつつ、慣れ親しんでいて家賃の高い家を手放して次の新しい家を確保するのもなんとなく億劫になるのと似ているのかもしれません。
今まで使用していた固定費としての家賃を削れば、他のことにその分お金を使用することも可能になるわけですが、
しかし、それに伴って家探し、引っ越し費用などのスイッチングコストも初期段階では間違いなくかかるため、
それが大変そうでなんとなく身体が動かないという人もいるのではないでしょうか?
それと同じように、例えば、仕事に対して1日16時間ぐらい使用している人であれば、それを上手い具合に削らないと他のことに時間を使うことができません。
しかし、これをやるのが物理的・心理的に案外困難だったりします。
上手い具合に少しずつ自分が行う仕事量を少なくするという方法が一番オーソドックスですし、当然それを第一に考えて欲しいところなのですが、しかし、色々な事情でそれが上手くできない状況にある人もいるでしょう。
そのような人は穏当なイメージはないですが、「仕事を破産」するしかない、ということになります。
因みに、自分から破産するのではなく、外部からの要因により仕事が破産されることもあります。
これは、勤め人で言うと、勤め先からリストラの対象になることでもあると思います。
とはいえ、リストラされた場合は原則としてそのまま無職になるわけですが、無職というのは仕事のために時間を費やす必要の無い人をも意味するのであって、究極の時間持ちになるという高い潜在的可能性を秘めた職業でもあるのです。
他の方法としては、仕事内容を変えるための転職や独立があります。
これは、転職先の仕事内容のために時間を使いたいので、今の仕事Aを転職というカードによって強制的に精算、破産するという見方ができると思われます。
独立も似たような形です。
独立すると言うことは勤め人であれば勤め先を辞めると言うことになるので、勤め先から来ていた仕事Aに取られていた労働時間を強制的に精算、破産することに繋がります。
したがって、仕事によって時間貧乏になってしまったり、そこまでいかなくても、固定費としての労働時間を毎回取られてしまっていてにっちもさっちも行かない人が、一気に時間を得て人生を再スタートさせるためには、時には、
リストラ、転職、独立
などといった仕事の破産手続きという大きなカードを切ることになると思われます。
まさに、人生を変えるための決断、ということです。
人生を変えるために、転職をすることを勧められることがあるのはこういった理由もあるからでしょう。
しかし、転職というのは飽くまでも手段の一つに過ぎず、さまざまな方法論の中でこれが一番難易度が低く、やりやすいから、他人にアドバイスをしやすいから(自分が責任を取らなくても住みそうだから)、という理由に過ぎません。
自分の状況に応じて、時間貧乏になってしまった場合にはいかなる破産手続きを行うべきなのか、取り得る具体的手段とは一体何なのか、ということを考えてみることをオススメします。