一般的に先送り習慣というのは悪習慣と呼ばれることが多いです。
というのも、ほとんどの仕事の場合先送りをすればするほどどんどん自分を追い詰めていくことが多いからです。
例えばゴミ出しをしないでおいて先送りしてしまい、どんどんゴミが溜まっていくばかりでさらにゴミ出しの先送りを続けていくと、そのままゴミが溜まってしまいどんどんゴミ屋敷化が進んでしまうなどの例があるように、
先送りをしてしまうことによって自らの状況がどんどん悪化してしまうことが多いためです。
それゆえに先送り習慣というのは典型的な悪習慣として、ほとんどの人に嫌われており、先送りする習慣を打破しましょうといった書籍やアドバイスなどが大量に出ています。
しかしながら私の考えとしては先送りは必ずしも「悪」というわけではないと考えています。
というのも先送りのまずいところは上記のゴミ出しの例にある通り今やるべきことをどんどん先の時点においてやろうとする事は良くないためであることにあります。
すなわち取り組むべき行為の時点としてふさわしくない時点にその行為をしていることが問題なのであって単に行為の時点を先に送るからまずいと言うわけではないということです。
逆に先送りよりも望ましいとされているのは前倒しの習慣です。
ほとんどの行為は先送りしてしまうすなわち今よりも後の時点に取り組むよりもなるべく現在時点に近い時点で取り組んだ方が良い結果になることが多いのです。
それゆえに、前倒しの習慣は先送りの習慣よりも良い習慣としてもてはやされる傾向にあります。
私自身、先送りする習慣を打破してなるべく行為を前倒しすることを推奨していることも多いのですが、必ずしも前倒しばかりが良いという考えを持っているわけではありません。
というのも、例えば勤め先における仕事のやり方として仕事の内容だけを先にやっておくすなわち前倒しをしつつも上司に報告する行為はその時点で行うのではなくより適切な時点として意識的に先送りをする事によって報告の時点をずらしてこれにより、より望ましい仕事環境を整えるということも1つの戦略としてあり得るからです。
これは1つの仕事の中でも前倒しで行うべき部分と先送りで行うべき部分で分けて行うタイプの仕事の場合に良い効果をもたらします。
このように前倒しばかりが良いことと捉え、先送りを行う事はすべて悪い事と捉えることはあまり正確な認識ではないと私は考えており、
むしろ1番大事なのは、その行為を行うべき時点を自分の目線から見てより適切な時点で行うことにより、その時点をコントロールするという意識を持つということです。
仕事以外の例でいくと、例えば確定申告と納税を行うべき人もいると思いますが、
面倒な確定申告だけは前倒しで行っておいて、肝心の納税の部分のみはクレジットカード決済などでなるべく締め切りギリギリの時点で行っておくと、実際にその納税額が銀行から引き落とされるタイミングをなるべく後にずらすことができるのでファイナンスの観点からはこのような措置を行うことが最も望ましいです。
確定申告自体は2月16日にさっさと終わらせてしまうものの、納税のクレジットカード決済は3月に入ってから行うことによって、クレジットカードによる引き落としのタイミングを先送りにするわけですね。
他の例でいくと、仕事の雑務や発注等は早い段階で措置を済ませておいて肝心の入金作業については最近の銀行においては予約振り込みの機能が付いているため振り込みのタイミングだけを1番最後に先送りしておくことによってファイナンスの観点からは最も望ましい支払いサイクルを実現することも可能です。
このように前倒しや先送りというのはあくまでも行う行為の時点をコントロールする措置になりますので、
あくまでも良くないのは、なんとなく先送りしてしまうという自分の行為の時点をコントロールできていない状態ということであります。
逆に、前倒しと先送りをうまい具合に使いこなすことによって行為の時点をコントロールすることは、自分の人生そのものをコントロールすることにつながります。
しかも頼もしいことに、最近はテクノロジーの発達によって、前倒しをしながらも先送りの措置をとることが可能になっています。
具体的にはメールの予約送信機能や銀行振り込みの振込予約機能によります。
これらの予約の措置によって自分の目線では前の時点で行為は終了させておきつつ実際に処理を実現させるのを先送りするということが可能になっています。
また前倒しでリマインダーを設定しておいて、後からそれを思い出させるような措置をとっておくことにより、意識的に先送りをして行為の時点をコントロールしておくということも有名なライフハックですね。
このようにうまい具合に前倒しと先送りを使いこなすことによって自分の人生をコントロールしていく、そういった意識が今後ますます重要になるんじゃないかなと私は考えています。