今日もなんだか微妙に面白くない仕事をひたすらこなすだけの一日になるのかな?
等と思いながら、ぱちぱちと無心でキーボードを打っていました。
しかし、突然同僚(部署が違うので普段あんまり話さない)から、
「自分が担当する予定の●●をやってくれない?やってくれたら代わりにあなたの次回担当分は私がやるから!」
というお願いのメールが。
突然の出来事ですが、引き受けるべきか、引き受けないべきか、早急な判断が迫られます。
さて、どうしようか、と一瞬考えましたが、今回は引き受けることにしました。
というのも、お願いされた内容というのが
①さほど私にとって労力がかからない仕事であったこと
②いつもやっているつまらない仕事とは分野が異なる仕事であって、知的好奇心が多少満たされる見通しがあったこと
から、ここは引き受けておいた方が後で、私の担当分がつまらなかった場合に代わりにやってもらう権利を手に入れられそうだと感じたからです。
それほど、現在やっている仕事にちょっと飽きてきたというのもあったと思います。
少し時間を取られるのは確かですが、単調で何も進まない日常を送るよりはマシかもしれないということもありました。
それにしても、人に頼るのが上手い人っていますよね。
「自分が担当する予定の●●をやってくれない?やってくれたら代わりにあなたの次回担当分は私がやるから!」
というのも、割と良い提案だと思います。
これってつまりは仕事を交換する取引なんですよね。
しかも、物々交換と異なって、現物が手元になくても成立する取引です。
今回で言うと、私が相手の仕事を代わりにやることで、相手に売掛を与えて、後々に私がやるべきだった仕事を相手にやってもらうことでこれを回収することが可能になります。
村社会では、お互いに物を譲り合うという形で、掛けの発生と回収を繰り返しているわけですが、
勤め先の仕事においても同様のことが可能になるわけです。
そもそも、仕事というのがおよそ嫌いな人にとってはこのような取引は成立しようがないわけですが、
私のように、特定の、しかもやりたくない仕事のみひたすら続けるのは嫌だけども、自分にとっての好みの仕事ならば大丈夫、むしろ歓迎できるという人にとっては、成立しやすい取引だと思います。
これは、例えるならば、一つの村で、ひたすら米ばかりを作っている人と、畑で野菜を育てている人がお互いのニーズに合わせて適宜のタイミングで譲り合うのに近いのかもしれません。
たまたま出会った見知らぬ人に適当にお米をあげてしまっても、本当にあげた分が返ってくるのかは不明ですが(そのまま一生会えない可能性もある)、村という特定の共同体の中で、一定の繋がりを保っているが故に、一定の信頼のようなものが生じて、このような時間差を生じることが前提の取引の成立が可能になります。
同じようなことは、勤め先における人間関係にも言えるのかもしれません。
勤め先という一種の共同体のようなものに所属しているというただそれだけで、一定の、かすかな信頼が生じて、それを前提とした取引が可能になるわけです。
勿論、踏み倒される可能性はゼロではありません。
そのため、通常は、踏み倒す可能性が低そうな人かどうかというのも、普段の勤務態度から見ることになると思われます。
ローンを組むときに見る与信審査のようなものでしょうか。
あれも、お金を借りた後返さない人なのか、ちゃんとお金を返してくれる人なのかということをさまざまな要素から判断しています。
取引をして良い相手なのかどうか、というのは重要ですね。
いずれにしろ、自分の好きな仕事だけをやりたいと考えているのであれば、上記のように、仕事を交換する取引を可能にする相手をできるだけたくさん作るというのは結構重要なのかもしれないと思います。
特定の仕事はやりたくないが、特定の仕事はやってもよいというような関係があるのであれば、上手くコミュニケーションを取れば、なるべく自分がやりたくない仕事をやらずに自分がやりたい仕事をなるべくやると言うことが可能になります。
これは翻って、勤め先に限らず仕事仲間という一定の信頼関係でつながることのできる人間関係を少しずつ作ろうとする取り組みを行うことが重要になりそうです。
果たして今回勤め先の同僚から引き受けた分はしっかり返ってくるのだろうか、と頭の片隅で考えつつ、まだ仕事しています。