私が個人的に就活生などにアンケートをとっているわけではありませんが、学生にとって不人気な業種(?)は「営業」らしいです。
確かに、私自身もあまり「営業」に対して良いイメージがありません。
というのも、営業からイメージされる活動というのが、ひたすらに電話帳の端から電話をかけまくることを一日中やるとか、一日中どこかのお宅を訪問して成約数を至上価値とし、それが社内評価に繋がるというイメージがあるからです。
しかも、それに付随するイメージとしては、
「電話をかけられた側から迷惑そうな反応をされる」とか
「大して魅力の無い会社の商品をあたかも魅力があるように、本心において思ってもいないようなことも言わないと行けない」とか、
「そもそも、営業成績がちょっとあがったり、ノルマを達成したところでそれに比例して給料が上がるわけでもない」とか、
そのような悪いイメージがどうしてもつきまといます。
概して、営業活動をすることが自分の意思に反する感情労働となっていることや成果を上げたところで大して実入りが良くならないという点がネガティブなイメージに繋がっていると思います。
したがって、私自身も営業は勤め先の仕事においては敬遠しています。
もっとも、法人を設立してみてから思いの外、色んな所に電話をしたり問い合わせをする機会が増えてきました。
ネットで法人向けの情報がさほどたくさん出てこなかったり、出てきていても個人向けの情報ほど見やすいものが少ないため、結局質問をしまくったり交渉したりする場面が増えてきているのです。
このような活動をやっていると、「まるで営業活動だな」と感じますし、それなりに時間を取られていることは間違いが無いのですが、しかし、やればやるほど目標に向かって努力している感があり充実感のようなものを感じるようになってきました。
どうしてこのような気持ちの違いが生じるのか、と考えてみると、やはり、自分の事業のための営業活動をしているという点が大きいです。
自分の率直な気持ちを伝えて営業活動をしているため、勿論自分の意思には反していませんし、
営業活動の結果、うまく成約すればそれがそのまま成果を自分のものにすることができます。
したがって、営業活動に対して、「頑張りがいがある」という認識になっています。
このような勤め人としての立場とは違った見え方ができるようになったのは正直私にとってかなり新鮮でした。
勤め先における営業活動をやっていってそのまま鬱になってしまう人もたくさんいるようですが、それはやはり勤め人としての立場から来る構造的なものだったのだ、ということを改めて感じたのです。
自分の事業として営業活動をやっていくようになれば、特に自律性の阻害要因がなくなるので、おそらく鬱になる可能性もかなり軽減されるものと思います。
やはり、私たちにとって自律性というのは思いの外重要なファクターなのかもしれません。
逆に言えば、構造的に仕事をつまらなく感じてしまいやすい勤め人としての立場であっても、この自律性というキーワードをもって克服できれば、鬱にもなりにくいのかな、と改めて考え始めています。
もちろん、勤め先によってはそんなことは期待すらできないという状況もあり得るかと思われます。そうなったらやはり転職を検討するしかありませんね。
それにしても、やはり自分の事業のための活動をしていると、勤め人一本で仕事をしていると見えてこないものがたくさん出てくるということがわかりますし、それがとても新鮮に映ります。
例えば、個人向けの銀行口座と法人向けの銀行口座一つをとっても、手数料などを始めとして契約条件が異なっていたりします。
また、個人向けサービスについてはアフィリエイト報酬があるのか、ネットでググるとたくさんわかりやすいまとめが出てくるのにもかかわらず、法人向けサービスを探そうとしたとたんにそのようなわかりやすいサイトが一気に減ります。
法人向けの情報を探し始めた瞬間に、あまりにも情報が出てこなくなったので、私としても正直困惑しました。
情報が出なくなってしまったらどうにかして自分で探すしかなく、ゆえに、ネットに頼り切ることができる範囲が思ったよりも狭く、アナログ的な発想も含めて情報をなんとか自分で取りに行く必要がある、ということがよく分かりました。
リモートワークやテレワークがそれなりに普及して、それなりに私の感覚がそれに慣れ親しんでいたのもあるかと思いますが、どうも、ネットでググればある程度情報は出てくるのが当たり前という感覚になっておりました。
しかし、よく考えたら、私自身がそうであるように、ブログなどを更新したりするのは結構大変なのでモチベーションを保つのはそもそも結構大変です。
同じようにホームページを更新するのも当然大変なわけで、そのような大変な作業を経てようやくネットに情報が流れているという当たり前の感覚を失っていました。
アフィリエイト報酬という一種の広告費のようなものも存在するくらいですから、それがそもそも存在しないジャンルとなりますと、よほど気持ちがないとわざわざ更新作業という手間をかけることはないということでしょう。
このようにネットの便利さとその限界についても認識した上で今後は情報収集に励む必要がある、ということも改めて感じました。