何をするにしても、時間という資源が必要です。
どんな目標を立てるにしても、この原則は外せないと言うことがだんだん如実にわかってきました。
そして、時間不足の悩みに対する対応策は
①時間の量を確保する
②時間の質を高める
の2種類が主にあると思います。
それぞれにおいて時間術など色々ありますが、大筋の順番としては、
①時間の量を確保する→②時間の質を高める
の順番で様々な対策が打てないか検討することが重要だと私は考えています。
何故かというと、大抵の人は無意識のうちに
自分には可処分時間が●時間しか無い→だから●時間を最大限使おう
という形でスキマ時間の有効活用方法などを探して、時間の質を高めようとする方法から選びがちな傾向にあるからです。
この無意識のうちに創られている暗黙の前提である、
「自分には可処分時間が●時間しか無い」
という前提をまずは疑ってみることが重要だと考えています。
そして、その前提からまずは切り崩せないのか真剣に考えましょう。
真剣に考えると活路が見いだされてくると思います。
このような試みを行う為にも
①時間の量を確保する→②時間の質を高める
という順番を意識することが重要です。
そして、①についても色々な方法論が出ていますが、
ここでは、時間の断捨離、すなわち、
自分にとってやるべきではない、重要ではないことのために使っている時間をまずは削減する
という方針が重要になってきます。
重要ではないことのために使用している時間というのは、
第3領域、すなわち、緊急ではあるが重要ではないこと
と
第4領域、すなわち、緊急ではないし重要でもないこと
に大筋別れます。
そして、何も考えていない人は緊急性があるという理由だけで第3領域すなわち緊急ではあるが重要ではないことに取り組もうとしがちです。
これは、緊急性があると言われるとなんとなく対応した方がいいような気持ちになるためです。
実際はよくよく考えると、
「そこまで重要ではないよね?やらなくてもよくない?」
という内容だったのにもかかわらず、
急に返事を求められたりするため、考える余裕がないのです。
したがって、
予め
「自分にとって重要なこととは何か」
ということについてある程度見解を固めておくことが重要になってきます。
これは例えば急に上司から返答を求められるようなメールが休日に送りつけられた場合などにおいても、
大した内容ではないとわかったら敢えて無視するという行動になると思います。
勤め人はどうしても就業時間=自分の可処分時間外と考えがちですが、このように第3領域をまずは削減することによって、自分の可処分時間を就業時間内であっても増やすことができます。
そして、第4領域は緊急でもないし重要でもないこととして真っ先に削減します。
例えば、私の場合はオリンピックをリアルタイムで鑑賞することは典型的な第4領域の時間の使い方になります。
したがって、私は当然オリンピックをリアルタイムで鑑賞することはありません。
逆に、オリンピックに出場する選手達にとってはまさにオリンピックに出場し、競技を行っている時間こそが重要な時間となりますので、第1領域すなわち緊急かつ重要な時間の使い方になるのです。
このように人によって重要なことは何かという答えは変わってくるので、
ますます自分にとって重要なことについて日々内省を続けることは重要なのです。
そして、同じ人の中でも状況が変化することによって重要なことの内容は変化していきます。
例えば、新入社員の場合、その勤め先でそれなりに出世していきたいだとかそういったことを考えた場合、
まずは、勤め先内での評価を高めるべく、上司からの支持などを素直に聞くなどの活動が重要なものに位置づけられる可能性は高いです。
しかし、ある程度出世してしまった場合等において、むしろ、素直に人の意見を聞くばかりではなく自分らしい意見を求められるような立場になってしまった場合には、
上司からの支持を素直にこなす活動の重要性は低下し、むしろ自分の意見を積極的に出すことの重要性が上がります。
人によってはそもそも勤め先に勤めること自体の重要性が低いという場合もあると思います。
すなわち、勤め先から給与をもらえないと生きていけない立場の人は、どうしても勤め先を確保した上で、毎月の給与の対価を得るために労働時間を捧げる必要が出てきます。
この意味で、労働時間について少なからず重要性は帯びると思います。
しかし、経済的自由を達成してしまった人は、勤め先をやめることができるので、
勤め先において費やしている労働時間が自分にとっての第3領域や第4領域になってしまったと確信を持った段階でもうやめることができます。
そういう人は時間がもったいないのでさっさと辞めましょう。
こうして、自分の時間を最大限確保することをまずは優先するべきなのです。
因みに、私の実感としては、経済的自由をある程度達成すると、勤め先における仕事のうち自分のやりたい仕事以外の作業を平然と断ることが精神的にも可能になります。
このような形で、バランスを保ちながら自分の時間を確保することも可能です。
以上のような、①時間の量を確保するの取り組みをある程度優先させつつ、
②時間の質を高める方法、具体的には、集中力を高める方法やスキマ時間を有効活用する方法を模索することが大事になってきます。
そして、時間の質を高める方法ですが、
せっかく確保したのにもかかわらず、そのすべての時間の質を高めることはそもそも難しい
ということを知識として知っておくことが重要です。
どういうことかというと、人間の集中力というのはそもそも長続きしません。
20分もつことができたらいい方です。
すなわち、自分のための時間をたくさん、例えば3時間ほど確保できたとしても、そのうち高い集中力を持って時間を有効活用できるのは数十分でしかないという可能性を踏まえた計画を立てることが重要です。
25分勉強したら5分は休むぐらいの意識の方が良いらしいです。
すなわち、可処分時間のうち、同じ場所で休憩をとりながら時間の質を高めようと思ったら、この時点で5%は最初から捨てる気持ちが必要になります。
そして、さらにいえば、現実的には同じ場所で同じような作業をしていると人間は飽きてきます。
そして、飽きてしまうと集中力が失われてしまうので、移動などによって一度気分の切り替えが必要になる人が多いです。
大抵の人はファミレスなどで勉強していたとしても、一日中居座るということはせずになんとなく途中で他の場所に移動したという経験があると思います。
このように集中できる時間を確保するためには空間をも切り替える必要があります。
集中力のある質の高い時間を1日の中でできる限り確保するためには、時間で区切って休憩するだけではなく、外の空気を吸いに行くなど、空間をも区切って切り替える必要があります。
このように時間を有効活用するためにはそのための空間を意識的に管理する必要があります。
この点、サードプレイスという言葉があります。
ファーストプレイスが自分や家族が住む家で、
セカンドプレイスが勤め先や事務所など日常的に仕事をすることが期待されている場所で、
サードプレイスがこれら以外の非日常さを待つ第3の場所となります。
具体的には、ファミレスやカフェなどがこれにあたります。
カフェなどは飲み物の値段が異様に高いことが多いのですが、
それはカフェという施設は顧客に対して飲み物という商品を提供しているのではなく、サードプレイスという商品を提供しているからです。
このようなサードプレイスのような場所にいた方が集中力が高まるという人も多いようです。
そして、一つのサードプレイスにおいて集中力を使い切ってしまった場合、そこで別のサードプレイスに移動して、空間を区切ることで時間も区切ることができるため、集中力も復活して時間を有効活用することができるようになります。
また、そもそもの話、朝活というものが流行るように、人間は朝の起きてからの時間の方がスッキリしており、集中力が保ちやすいです。
そのような集中力を保ちやすい時間においてカフェなどで勉強したり作業したりすると非常に集中しやすくなるでしょう。
ひと段落ついたらまた空間を区切って他のサードプレイスやセカンドプレイスに移動するとかなり良いです。
さて、この空間を区切る必要があるという話が出てきた場合、空間を区切るために必要なものがあります。
それは何かというと「移動時間」です。
勤め人の場合は通勤時間がこの役割を果たしていたのではないでしょうか?
しかしながら、この移動時間というのは空間を区切って時間を区切るためにはなくてはならないものではあるのですが、
弱点としては、移動時間が長すぎると無駄が多くなってしまうという点です。
もちろん、徒歩通勤で移動しながら周りの景色を楽しむという考え方や通勤電車で他のことをやるということは可能ではありますが、
移動時間というのは本来は切り替えのために必要な時間なので、サードプレイスにいる時のようなタイプの集中力を発揮することには向いていない場合が多いという点です。
したがって移動時間が長すぎると単に消耗してしまう可能性が高く、なるべくそれぞれのプレイス間で移動時間が短いところがたくさん存在している方が良い
ということです。
そう考えて行くと、
ファーストプレイスやセカンドプレイスやいくつものサードプレイスを用意しなくてはいけない場合、
移動時間がそれぞれの間で移動する際に必要になると考えると、効率を考えると、これらの場所が集中している場所を確保することが大事になるという話になり、
そのような場所はどこかというとやはり都心に存在するという話になります。
したがって、その人の特性にもよりますが、時間の質を本気で高めたいと考えた場合にはそれぞれのプレイスが集中的に存在する都心に高い家賃を払ってでも住んだ方が良いという結論になる場合もあり得ます。
このような考え方を重視した場合には、狭くても、コロナがあっても、たとえリモートワークができても、都心に住みたがる人が一定程度出てくることは理解できるような気がします。
このように、どこに住むのかという問題は時間の質の程度すら左右する要素になる可能性が出てくるわけです。
「住む場所によって人生が決まる」
という言葉もあり、何の要素がどう左右されるのは私の中で納得がいく答えが出てきていませんが、
このような視点で考えると、時間の質を高められるという意味で住む場所が人生に影響する可能性は考えられそうです。
最後になりますが、いずれにしろ、時間不足で悩んでいる際の解決策を模索する際には、
①時間の量を確保する
②時間の質を高める
①→②の順番を意識することをお勧めします。