一般的に、若い人は「未来があって良いね」と言われますね。
おおよそ、10代、20代の人は特によく言われやすいと思います。
これは、寿命までの時間が長いということもあり、未来への希望がまだあるという意味で、未来という物が価値ある物とされているのかな、と思います。
逆に言えば、私のように20代の頃は資産形成等で「●●才までに●●円の資産形成を目指します!」と言って未来に対して燃えることができますが、80代や90代の人にとっては「いや、未来と言っても」と言った反応にならざるを得ないのかなと思います。
これは未来という物の価値自体が時とともに少しずつ減っていくということなのかもしれませんね。
同時に肉体的な若さも失うわけですが。
そうなると、必然的に若い頃は未来に対する投資を頑張ることに絶大な価値があるものの、年を取っていくと未来というものの価値が減っていくため、より今をより良く生きる為のちからというのがあると良いという話になるのかなと思います。
平たく言うと、「今を楽しんで生きよう!」ということになりますね。
資産形成等を始めると、どうしても複利計算などを始めて、現在や今をないがしろにしがちな部分もありますが、何事もバランスは大事です。
私の中でのイメージは、10代や20代の頃は8割が未来に対する投資、残りの2割で今を楽しむのが良いのかなと考えるところでもあります。
もちろん、未来への投資自体は苦行のような物もあればそれ自体楽しいという性質の物もあります。
できれば、それ自体楽しいと感じるような未来への投資を若いうちは心がけて、未来の自分に対して良い影響を与えつつ、現在としての自分も楽しむ、という形を取れるようになるのが望ましいかもしれません。
偶にネット記事などで、何十年にもわたって頑張って貯金をしたけれども、これで一体どうすれば良いのかわからない、お金の使い方がわからないと言った悩みも見ます。
ここでいう、お金の使い方が分からないというのは、純粋なお金の使い方に限らず、「今を楽しむ方法」そのものがよくわからないということをも指しているのではないかと私は考えています。
この、「今を楽しむ方法」というのもまさに人それぞれであり、少しずつ試行錯誤しながら学んでいく必要があると考えられ、年を取ってお金や時間に余裕ができた時点でさあ始めようと思ったところで何も思いつかない、ということにもなりかねないので注意が必要です。
定年における退職金を得て始めて投資に手を付けようとすると全然上手くいかない、というのと同じような話で、投資の経験もそうですし、「今を楽しむ方法」についても少しずつ経験を積んでおくことが望ましいと考えます。
「今を楽しむ方法」について経験を積むこともまた年を取った自分に対するプレゼント、未来に対する投資の一種なのかもしれないですね。
やったことがないことを経験してみて始めて、「この分野は向いている、向いていない」ということも分かるため、浪費と分かっていてもリスクを取って取りあえずやってみるということも重要なのかもしれません。
ってことは、節約とかして頑張って資産形成するのは微妙ってこと?と思われてしまうかもしれませんが、私自身は節約を試みて資産形成することには大きな意味があると考えています。
というのも、資産形成において、大事になるのは消費、浪費、投資の区別であり、これを意識するために最初に節約に取り組むのが最も手っ取り早いのです。
節約をした末に、「自分にとって必要な消費はこれだ」ということが自分で把握することが重要なのです。
何故なら、その必要な消費が自分の中での生きていくための最低限の固定費となるため残りの投資、浪費の部分は変動費になり、投資や浪費をそれぞれ意識して支出することが可能になるのです。
意識された浪費や投資というのは、成果に応じてすぐにやめることが可能である、という点が重要かと思います。
もちろん、依存性の高い物に手を出した場合には無闇にやめにくいというものもあるので、この点は購入の際に注意が必要ですが、それ以外の物だったら「これは必要ないな」「私には合わないな」と思ってすぐにやめることが可能です。
浪費を行った対象によってはそれ自体を経験に昇華することも可能になります。ブロガーなどがよくやっていたりしますね。
いずれにしろ、「今を楽しむ方法」についても意識することで、現在における幸福度を下げることなく、未来に対する投資が可能になります。
あと、重要になってくるのは、未来に対する投資のうち、勉強などの一見苦行のように思えることを楽しめる能力、平たく言うとゲーム化してしまう能力も重要になってくると思います。
このような能力を磨いていくことによって、今を楽しみつつ、将来に対する対策もいつの間にかできている、という状態を創ることが理想ではないでしょうか?