目標設定をするときに、
「わかりやすいキリのいい数字」を設定したくなることがあります。
例えば、投資で財産を築き上げたいときには、
「取りあえず、一億円資産形成したい!億り人になりたい!」
と言ってみたり、
「金融資産3000万円保有していわゆるアッパーマス層になりたい」
とか、
「取りあえず、年収は1000万円を超えたい!」
とか、
「副業では、月100万円欲しい!」
とか、
しかし、これらはすべて、この目標をクリアする必要性はほとんど無かったりします。
例えば、年収999万円だと何かの試験に合格できないだとか、そういう事情があるのであれば、年収1000万円ないと困るという話になるわけですが、
しかし、飽くまでも、数値目標を超えた「真の目標」のために頑張っているのですから、年収1000万円を達成する必要が無い場合もあるわけです。
例えば、なんとなく、貧乏なのは嫌だし、ある程度お金に余裕がある生活をしたい、という願望から、
取りあえず、年収1000万円ぐらいあればなんとかなるんじゃないか、、、、?
などと発想して、
「年収1000万円を目指すぞ!」
となるのは、よくある話なのですが、
しかし、実際の話、このようなふわっとした目標を立てておいて、実際に年収1000万円を超えられないと目標が達成できなかった、として、萎えてしまう人もいるようです。
このような発想で目標を達成したい場合に考えるべき事は、
そもそも、真の目標である「ある程度お金に余裕がある生活」とは何をイメージしていたのか、
その次に、そのイメージのために具体的にいくら必要なのか、
ということを考えるのが重要なんですよね。
これを厳密に出すためには、まず家計簿で今の支出を計るところから始めないといけない訳ですが、
①今の支出+αでどのぐらい年間においてお金が必要なのか、
②しかも、どうしてその+αが自分にとって必要なお金なのか、
ということを考える必要があります。
例えば、もともとの基礎生活費が年間240万円(月20万円)の人がさらに、+αとして、327万円ぐらいは何らかの理由で必要になりそうだと計算できたとしましょう。
しつこいですが、何のために追加でお金が必要なのか、という理由の部分はそれこそ真剣に考える必要があります。
年間567万円ぐらいがこの場合必要になりますよね。
③勤め人、サラリーマンの場合は、ここからさらに手取りで年間567万円もらうための額面年収はいくらなのか、ということを考える必要があります。
これは手取り年収一覧でググるとざっくりと対応する額面年収の一覧が出てくるのですが、年収1000万円も必要は無い、ということは分かると思います。
すなわち、真の目標に必要な数値目標は年収1000万円ではないということは分かると思います。
このように、適切な目標設定を行うことによって、無駄な努力や無駄な時間の支出を避けることができます。
経済的自由を達成してFIREしたい人の中には、取りあえずキリの良い数字を目指して資産形成している人もいるかもしれませんが、
実際には、キリの良い数字を目指しても真の目標を達成できなかったり、行き過ぎた目標設定によって自分自身が苦しむ可能性もあります。
例えば、いきなり配当金で生活したいなどと考え始めて、最低でも6000万円ぐらいは必要っぽいぞというような目標が目の前に情報として出されたとして
「これを達成するまでに一体何年かかかるのだろうか」
「自分には無理」
などと思い始めて萎えてしまう可能性があります。
6000万円ぐらいならばもともと高年収の人であれば数年気合いを入れれば達成できてしまうのかもしれませんが、今の年収から見て明らかに遠いという感覚のある人にとっては辛いでしょう。
勢いで達成できてしまう数値目標と、長年かけてようやく達成できる目処の立つ目標という物があるわけですからね。
しかも、大きな目標であればあるほど、勢いだけで達成することなどできず、長年かけてようやく達成できる目処の立つ目標となります。
勢いだけで色んな目標を達成できる人というのも中に入るのですが、最終的には、後者の、何年もの時間をかけて大きな目標を達成することが一種の志として、自己実現的活動として、思いつくようになります。
そして、長年かけないと達成できる目処が立たない目標を立てた場合、当然長年目標が達成できない期間が生じることが前提になりますので、その間に萎えたり、「もういいや」とならないようにしないといけないんですよね。
そのため、長年かけないと達成できる目処が立たない目標を立てた場合には、階層的に「意味のある中間目標」を設定する必要がありますね。
そうすることによって、目標を達成し続けて達成感を味わい続けることが可能になり、最終的なゴールまで失速せずに済みます。
例えば、上記の配当金生活の例でも、いきなり6000万円を手に入れて配当金だけで生活費をまかなおうとするのは大変ですが、
まずは、公共料金の分だけでも良いから配当金でまかないたいと考えると、ほとんどの人の場合は、1000万円も必要なくなるはずです。
したがって、
公共料金→食費→家賃
といった感じで段階的に配当金で生活費の「重要な一部」を少額からまかなうことができるような目標設定を立て続けることがモチベーション維持のためにも重要になってくるわけですね。
経済的自由を目指している人の中には、
まずは、基礎生活費の分だけでも資産所得で補えるようにしておきたい
と考えている人が多いのではないでしょうか。
そこまで行けたら次に娯楽分の支出までも資産所得で補えるような目標を立てるようにすると、段階的な目標設定が可能になり、 長年かけないと達成できる目処が立たない目標も達成しやすくなります。
このように考えていくと、目標というのはただキリの良い数字挙げて立てれば良いというわけではないということがよく分かると思います。
そして、数値目標、定量的な目標を立てる場合には、本当に現段階で自分にとって必要な目標なのか、厳しくチェックすることが重要になるでしょう。
階層的な目標の立て方としては、私の場合は、片付け習慣を習慣化する際にかつて採用しています。
ポイントは、定性的な目標と定量的な目標を関連づけて使いこなし、複数の階層的・段階的な目標設定を行う事です。
これによって、目標設定その物が極めて芸術的なものになるとかなり美しいですし、モチベーションも上がることでしょう。
目標設定も一つの技術なのです。