ほとんどの勤め人は仕事と言えば
勤め先から誰かから振られた仕事
をやることだと考えている節があるかもしれません。
このような世界認識を抱いていると、
「出世をするためには上司から与えられた仕事を着実に遂行しなければいけないし、それ以外はあり得ない」
とか
「自分に仕事が振られずに他の同僚に仕事が振られていると不安になってしまう」
とか
「指示された内容以外は別に仕事ではないからやらなくてもいい」
という発想になりやすいです。
一方で、勤め先で勤め人として働いていたけれども独立した、という人もいますよね。
しかし、この独立ですが、
その実情を見ると
本当に独立して活躍している場合
と
それって本当に独立と言えるの?と突っ込みたくなるような場合
があります。
前者の場合は自分の名前や能力を頼ってくれる人がいることから直接指名が入っている場合が多いですね。
しかし、後者の場合、例えば、独立したといっても元の勤め先から仕事の大半をもらっている場合などはどうなのでしょうか?
例えば、今までは雇用契約を勤め先と結んでいたけれども今度は仕事がある度に元勤め先と業務委託契約や請負契約を結ぶ場合ですね。
これは金銭的には雇用契約よりももしかしたら報酬の金額が高くなるかもしれませんし、社会保険料などを徴収される額もかなり変えることができるため元勤め先と自分との間でwin-winの関係になるかもしれませんね。
しかし、この場合の関係は独立しているはずなのに元勤め先の下請けのような関係になっています。
ほとんどの場合、元勤め先に来た仕事を振ってもらってそのおこぼれを預かるということになりますし、加えて報酬も微妙に足下を見られる可能性があります。
勿論このような仕事の獲得の仕方は一概に否定できる物では無いと私は考えていますが、その人の全体的な仕事の配分からして元勤め先から下請けされる仕事の割合が大きい場合には、それは形式的には独立していると言っても実質的には元勤め先に依存しまくっていると言えます。
これは仕事の獲得について元勤め先におけるネットワークに頼るしかない状態に陥っているわけですし、元勤め先ですべての仕事が完結するのであれば通常おこぼれは回ってこないため、足下を見られる危険性も高まります。
本当に独立によって活躍している人というのは元勤め先におけるネットワークはもちろん、それとは別個に自分独自のネットワークを既に築いているため、そちらのネットワークを通じて仕事をもらえるようになっており、元勤め先におけるネットワークへの依存度が低い状態になっていることが多いです。
このような状態に勤め人の段階で既になっている人というのは真に「いつでも独立することができる」人でしょう。
実際にそのような状態になってしまってから「自分1人でめっちゃ頑張った方が稼げる!!!」などと言ってさっさと独立してしまう人もいるのですが、個人的にはそこまで独立を決行することを慌てる必要は無いのではないかと考えています。
要するに、独立すると言うことは今の勤め先を「退職」するということでもありますが、確かに勤め先からもらえる給料と比較して独立した方が遙かに稼げるかもしれません。
しかし、「何でもいいから早くお金が欲しい、独立して青天井に稼ぎたい!」と思っている人以外は少し立ち止まってみてもいいのではないかと感じることがあります。
特に比較的若い人はそうですね。
何故ならば、真に「いつでも独立することができる」人というのはその性質上希少性が高いため、この時点で勤め先においても既に周りから一目置かれていることも多いです。
直属の上司よりも事実上発言権が強い場合も多いでしょう。
また、いつでも独立できるため言いたいこともはっきり言いやすくなります。
さらに、そのような状態になってくると自分をないがしろにしてくるような人は自然と離れていくので職場におけるストレスも軽減されやすくなります。
このような効果がありますし、
そもそも独立というのはいつでもできるものでもあるため、真に「いつでも独立することができる」人の場合には敢えて独立せずに今の勤め先に所属したままで何か新しいことにも挑戦することでも良いと思います。
もしかしたら周りから嫉妬されてしまうなどの事情で勤め先における人間関係が悪化してしまうこともあるかもしれませんが、その辺りは時間が解決してくれる場合もあります。
いずれにしろ、真に「いつでも独立することができる」人というのは選択権を持っている立場なので好きな生き方をしやすいのですね。
真に「いつでも独立することができる」人になって独立せずに勤め先において自由を謳歌してみるのも良いのではないかと思います。