長らく結婚=幸せな家庭を築く方法として、一般に受け入れられていた気がします。
しかし、よくよく考えると、結婚というのは法的に用意された制度に過ぎません。
私の中で、幸せな家庭で暮らせればいいなという密かな思いはあるものの、それを構築するための手段が結婚だけであるという前提に縛られてはいけないのではないか、という思いがあります。
結婚というのは飽くまでも制度でしかない、という見方をすると、それが自分にとって本当に幸せな家庭を築き上げる方法として適切であると言えるのか、という点は一度落ち着いて考えてみても良いと考えています。
そもそも、現状では、日本の結婚制度というのは、男性と女性という異性同士がするものとしています。
この時点で既に制約が多すぎます。性別を限定しなければ、男性×男性、男性×女性、女性×女性という形で机上の空論でしかありませんが、単純に組み合わせが増えます。
現状で、結婚相手がいないとして悩んでいる人も良いと思いますが、出会いの機会が限定されているとかそういった問題以前に、そもそも組み合わせが限られている中で探しているのですからしょうがない面があると考えています。
しかも、結婚すると協議離婚が成立しない限りは離婚するまでがとても面倒です。調停によって離婚が成立するまでに何年もかかるということもあるようです。流動性がそこまで高くありません。
一度結婚したらそんな面倒な目に遭ってしまうリスクがあるということを考えると、リスクが高すぎるのであって、端的に言って不動産投資でLTVを限界まで高めるよりもレバレッジが効いている危険な取引であるとも言えます。
したがって、投資と同様、「ヤバいとわかっているものにはなるべく手を出さない」という方法をとることになる(取らざるを得ない)と考えられ、結果的に結婚まで至らないということも多々あるのだと思います。
このように、結婚を制度としてとらえ、そのリスクとリターンを考えると、投資と一緒で「素人が手を出すにはハイリスクハイリターン過ぎる」というタイプの取引であるという印象です。
逆に言えば、しっかりと経験を積んで目利きができている人やハイリターンを享受するだけのスキルやスペックを持っている人は結婚という制度によってさらに強力に幸せを享受できる、と考えられます。
そのように考えていくと、結婚という制度に幸せな家庭を担保してもらうことをそもそも託しすぎないという視点も重要になってくるのではないか、とも考えています。
分散投資の視点で、ローリスクローリターンの部分から足場を固めておくことも重要でしょう。いきなりハイリスクハイリターンのFXなどに挑戦する前にローリスクローリターンの国債などに触って感触を見てみるというようなイメージです。
近年は様々なコミュニティーを創りやすくかつ入ったり出たりしやすい環境が整ってきているということを考えれば、家庭に類似した関係も創りやすくなっているのではないか、と考えることもあります。
もちろん、家庭に類似した関係を創ると簡単に言っても相応のコミュニケーション能力というか、本人に魅力が無ければ創られようがないという面はあります。
しかし、幸せな家庭を築く方法として、結婚のみに縛られないで他の方法もあり得るのではないか、という風に頭を柔軟にしておくことはこれからの時代を生きるにあたって重要だとも思っています。
特に女性の場合は、結婚しない方が幸せになれるというパターンがあるという研究も徐々に出てきているところなので、下手に焦る必要など無く、自分にとって本当の幸せとは何なのかと考えてみて、改めてそれとの関係で結婚という制度がどのように位置づけられているのかということから再考してみるのも良いかもしれません。